天高く 馬肥ゆる …… などと言われても、ここら近辺では、肥ゆるも痩せるも馬など見ることがなくなって久しい。
そう言う点では今ひとつ物足りない秋ではある。
今更言っても詮無きことながら、吾輩ご幼少のみぎりは、そこらじゅうの家に牛か馬が飼われていた。
秋が深まり、人も馬も汗をかかなくなると俄然元気が出てくる。そうなると農家の馬屋(厩)に入り込み、踏み台の上からくつわを噛ませて引っ張り出す。
かんがい用水路に入りたがる癖の悪い馬でも、寄り添い・首筋を撫で・ハイハイ…と声をかけてやる。
こちらを気に入ってくれたら極めて従順。裸の背中にでも乗せてくれる。一旦嫌われると、こちらを認めさせるまでにかなりの時間がかかる。それこそ甘いことなど言ってはいられない。無理矢理にでもまたがって、手綱をしぼり込み、馬の自由を奪ってその場を2・3周円を描くようにゆっくり回らせる
「こいつは出来るな……」と馬に思い込ませることが肝要。
などと昔話に浸っている場合ではないのだ。台風が近づいている。
海に近いここらは、船だまりと呼ばれる入江がいくつもある。台風など時化(しけ)るときにはここに避難し船をつないで荒波から守る。
普段は潮が引くと粘土状の地表が現れ、白鷺の格好のエサ場となる。大体一つの入り江に1羽ないし2羽が、せわしなく虫やこがになどをあさる。これぞ食欲の秋。ちょっと眺めている間にもどれだけの量をついばむやら…。
それにしても、縁もゆかりもない白鷺が、食欲の秋を満喫するのをカメラを構えてアキもせず眺めている。
これもひとつのアキだな~~。
( 写真: 一つの船だまりを我が物顔にお腹を満たす白鷺 )
そう言う点では今ひとつ物足りない秋ではある。
今更言っても詮無きことながら、吾輩ご幼少のみぎりは、そこらじゅうの家に牛か馬が飼われていた。
秋が深まり、人も馬も汗をかかなくなると俄然元気が出てくる。そうなると農家の馬屋(厩)に入り込み、踏み台の上からくつわを噛ませて引っ張り出す。
かんがい用水路に入りたがる癖の悪い馬でも、寄り添い・首筋を撫で・ハイハイ…と声をかけてやる。
こちらを気に入ってくれたら極めて従順。裸の背中にでも乗せてくれる。一旦嫌われると、こちらを認めさせるまでにかなりの時間がかかる。それこそ甘いことなど言ってはいられない。無理矢理にでもまたがって、手綱をしぼり込み、馬の自由を奪ってその場を2・3周円を描くようにゆっくり回らせる
「こいつは出来るな……」と馬に思い込ませることが肝要。
などと昔話に浸っている場合ではないのだ。台風が近づいている。
海に近いここらは、船だまりと呼ばれる入江がいくつもある。台風など時化(しけ)るときにはここに避難し船をつないで荒波から守る。
普段は潮が引くと粘土状の地表が現れ、白鷺の格好のエサ場となる。大体一つの入り江に1羽ないし2羽が、せわしなく虫やこがになどをあさる。これぞ食欲の秋。ちょっと眺めている間にもどれだけの量をついばむやら…。
それにしても、縁もゆかりもない白鷺が、食欲の秋を満喫するのをカメラを構えてアキもせず眺めている。
これもひとつのアキだな~~。
( 写真: 一つの船だまりを我が物顔にお腹を満たす白鷺 )