深み行く秋。瀬戸の夕凪に繰り広げられる風物詩のひとつ、「タチを漕ぐ」というのがある。
完全な漁師仲間の隠語で、ちょっと分かりにくい。
「太刀魚を釣る」という意味である。その一連の動作や光景を一言で言い表すと、なるほど…このことばがピッタリくる。
つるべ落としの夕日が沈むころ、太刀魚も夕食時とみえて、鰯などの小魚目がけて海面近くに浮き上がってくる。
船のエンジンは止めずに、ゆっくり船を旋回させる。スクリューから出る泡に紛らせて疑似餌を流す。こうもり傘の柄の形をした針は、長さ10㎝もある大きなもの。
一本の道糸に4・5本の針を付ける。少し大型が食いつくと、道糸を持つ指先に糸が食い込むほどの衝撃がある。上手に引き揚げる。手や足を噛まれないように針から外す…… これら一連の動作から「タチを漕ぐ…」と言われるようになったと聞いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/d4/ae0ed09921b58421afe884b5bd9866da.jpg)
頭はとがって、一見獰猛そうな鋭く発達した歯が目立つ。体は全体に左右に平たく、幅は指4本などと表現される。背びれは背中全体に伸びる。尾びれ、腹びれは持たず、尾部は単純な先細りになっている。体の表面には鱗がなく、その代わりに全身が銀色に輝くグアニン質の層で覆われており、釣り上げた時はやや青味がかった金属光沢を持つが、ほどなくすると灰色がかった銀色となる。 お刺身・塩焼きなどが今、旬である。
そんな風物詩をカメラに納めよう…と、薄ら寒い海岸に出かけたが、「小イワシは湧き上がっとるのに、太刀魚がおらんのよ…。当たりが全く来ん、水温の加減じゃろうか……」との漁師さんの嘆き節を聞いて帰った。 主の来ない漁船は、手持ち無沙汰に港に舫った(もやった)まま。明日は出るのか…あさってか…。
まだまだいっぱい面白い話を聞いた。それはまた次回…ということに…。
( 写真: 手持ち無沙汰に、港に係留された漁船 )
完全な漁師仲間の隠語で、ちょっと分かりにくい。
「太刀魚を釣る」という意味である。その一連の動作や光景を一言で言い表すと、なるほど…このことばがピッタリくる。
つるべ落としの夕日が沈むころ、太刀魚も夕食時とみえて、鰯などの小魚目がけて海面近くに浮き上がってくる。
船のエンジンは止めずに、ゆっくり船を旋回させる。スクリューから出る泡に紛らせて疑似餌を流す。こうもり傘の柄の形をした針は、長さ10㎝もある大きなもの。
一本の道糸に4・5本の針を付ける。少し大型が食いつくと、道糸を持つ指先に糸が食い込むほどの衝撃がある。上手に引き揚げる。手や足を噛まれないように針から外す…… これら一連の動作から「タチを漕ぐ…」と言われるようになったと聞いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/d4/ae0ed09921b58421afe884b5bd9866da.jpg)
頭はとがって、一見獰猛そうな鋭く発達した歯が目立つ。体は全体に左右に平たく、幅は指4本などと表現される。背びれは背中全体に伸びる。尾びれ、腹びれは持たず、尾部は単純な先細りになっている。体の表面には鱗がなく、その代わりに全身が銀色に輝くグアニン質の層で覆われており、釣り上げた時はやや青味がかった金属光沢を持つが、ほどなくすると灰色がかった銀色となる。 お刺身・塩焼きなどが今、旬である。
そんな風物詩をカメラに納めよう…と、薄ら寒い海岸に出かけたが、「小イワシは湧き上がっとるのに、太刀魚がおらんのよ…。当たりが全く来ん、水温の加減じゃろうか……」との漁師さんの嘆き節を聞いて帰った。 主の来ない漁船は、手持ち無沙汰に港に舫った(もやった)まま。明日は出るのか…あさってか…。
まだまだいっぱい面白い話を聞いた。それはまた次回…ということに…。
( 写真: 手持ち無沙汰に、港に係留された漁船 )