各地で活動するタウンリポーターの、取材に懸ける思いを問われた。
思いつくまま・感じたままを書いてみた。 (2010.11.18 中国新聞掲載)
長引く不況で企業や行政に停滞ムードが漂う中、市民活動が岩国の元気をけん引している。
趣味やスポーツ、ボランティアなどを通して「誰かの役に立ちたい」「社会参加をしたい」「自分を高めたい」といった意欲的な住民団体が数多くある。
しかし、これらの活動に陽が当たる機会は少ない。地域に暮らす住民の視点で個々の活動を掘り起こし、紙面に掲載して広く世間に認知してもらう。
それが励みとなり、活動の輪が広がるきっかけになればリポーターとしてこれほどうれしいことはない。
昨年12月、岩国小5年生による歌舞伎「勧進帳」を取材した。約1時間の舞台だったが、難解なせりふも全部覚え、弁慶や関守の富樫役を演じきったパワーに感動した。
「プロが演じる舞台のDVDを見て練習したかいがあった」。大役を終えた児童は、あどけない表情の中にも誇らしい笑みを浮かべていた。
「最近、人情という言葉をあまり聞かなくなったが、やはり消えてはいけないものだ。歌舞伎体験を通じ、日本人の心に人情を取り戻したい」。指導する先生の熱い思いにもふれることができた。
取材の中で、主宰者や参加者から苦労話などを聞きながら交流ができるのも、リポーターの楽しみである。