晴れて無料で渡れることになった、国の名勝錦帯橋
郵便受けに岩国市役所発信の茶封筒が入っていた。
高齢障害課、とやや遠慮気味に少し小さく書かれている。
なにもやらかした心当たりはないよな~と思いながらも、確かに私宛てなので開封する。
来たのだ。ついに来たのだ。「敬老優待乗車証」なるものが。
「敬老対象者の仲間入り」という公認の事実を見せつけられた思いがする。
但し、どう考えても本人の意識とは大きな大きなズレを感じてしまう。早い話が、「俺ってそんな敬老扱いしてくれなくたっていいのに」「まだ若いよ~」と思いたいのだ。
ああそれなのに!「平素より高齢者福祉につきましては、格別のご理解をいただき、熱くお礼申しあげます。さて、あなたは・・・」丁重に敬老年齢に達したことが書かれている。
入橋料300円の名勝錦帯橋が、晴れて無料で渡られる。岩国市が運営する市内の路線バスは、一乗車に付き100円という格安料金となる。
大きなお金などありはしないが、滅多に利用しないバス運賃も、錦帯橋の渡り賃も、そのくらいの小銭は持っているよな~と、身勝手なことを思ってしまう。
そんなわがままを言うから、「この頃は扱いにくいお年寄りが多いよね~」とひんしゅくをかうことになるのだろう。
仕方がない、というか、事実を認めるしかない。
これからまだまだ続くであろう、駅前での飲み会に参加するとき、420円かかったバス賃が100円で済む。錦帯橋も無料。この恩恵を有り難く受け止めることにしよう。
それが行政への参画であり、可愛いがられる年寄りへの近道ならば・・・。
でもやっぱり、ちょっと複雑・・・。