行燈のある風景(昼行燈はご法度)
『 出先の妻から「炊飯器のタイマー入れるの忘れた。スイッチ入れといてね」と電話。
おっ、またか。 そう言えば最近、トイレの電灯消し忘れも目立つようになった。
あのしっかり者でさえ、年相応に来る時が近づきつつあるのかなと心配する。
かたや「おれの携帯知らんか、ちょっと鳴らしてみてくれ」
「この前、買ってきたあれはどこに置いたかのー」
などと似たもの同士のかばい合いは続く。
「お父さん、しっかりしてよ、認知と認知で『よんち』なんてシャレにもならんよ、ハハハ」と豪快に笑う。
いつまで、こうして笑っておられるんじゃろう。 』
2011.12.26 毎日新聞「はがき随筆」 掲載
このところ昼行燈も時々見られるようになった。かなりの締まり屋でうるさかったのに・・・。
今の社会の流れから言っても、電灯消し忘れやエネルギーの無駄遣いは厳に慎まないと。
“ 気をつけよう、物忘れから来る、認知症 ”
昼行燈は、あの忠臣蔵、大石内蔵助に任せるのがよろしいようで・・・。