往く夏を惜しむがごとき遠花火
久しぶりの雨。あの地を這うサツマイモでさえ枯れそうな連日の陽射し。
ここでやっと一息。畑も庭も、公園も大地の全てが大きく深呼吸をしている。
降り込む雨を避けようと窓を閉めれば、なんと値切ったサウナに入ったような蒸し暑さ。
ただキーボードに向かうだけで汗が流れる。これにはたまらず節電返上エアコンポチッ。
一昨夜9時を回ったころ、お腹に響くような連続爆発音が轟く。
エ~?今頃花火?半信半疑、二階北側の窓を開ける。
夜目にも鮮やかな遠花火。フィナーレ近くだったのか、やけっぱちみたいに連続で打ち上げられる。しもうた!もう少し早く気付いていれば、往く夏を惜しむ遠花火をじっくり見物できたものを。ザンネン!後の祭りの遠花火!!
毎年7月4日のアメリカ独立記念日に、岩国基地で打ち上げられるお祭り花火が、雨によって延期され延び延びになっていたのが、一昨夜の花火大会となった。
直線距離にしても7・8キロは離れている基地と我が家。それでも肉眼で極めて鮮明に捉えられる。普通のデジカメでさえこれほどの撮影ができるのに驚く。
いよいよこの夏の花火も見納めか、秋が目の前だと思うと少しの感傷もある。
それよりも、戦場取材中、民族紛争に巻き込まれ銃撃されたジャーナリスト山本美香さんの突然の死に、多くの人が悲しみに包まれた。
その報道写真に残されている、砲弾に怯えながらも明るく生きるシリアの人達。
何故同じ国民同士がお互いを殺戮し、殲滅を図ろうとするのか、どうしても納得いかない。
7・8キロ離れたところからでも、目に耳に飛び込む花火の艶やかさ、爆発音。
幸い打ち上げ花火だから悠々と笑って眺めていられる。
シリアのほかにも民族紛争の絶えない地域では、夜空を焦がす閃光や爆発音は、心胆寒からしめるに違いない。
閃光や爆発音の使用は、花火の世界だけにとどめておいて欲しいものである。