2枚の葉書が届いた。1枚は「新聞投稿見ましたよ~」とのお褒めの絵手紙。
1枚は、本来なら待ちに待ったお誘いの葉書であるはずなのに、なんと、今さら言うまでもなくコロナに押されて「今年度も中止せざるを得なくなりました」というお断りの葉書である。
岩国工場定年退職者の会という、昔の仲間と旧交を温め、思い出話に花を咲かせる大切な時間が失われてしまった。もっとも、こちらはそんな気軽なつもりでも、相手にとっては「こいつだけは苦手な奴だ」とか「イヤな奴だったね~」と思っている御仁もいるに違いない。まあそれでも、生活と人世をかけて数十年同じ釜の飯を食った仲間じゃないか。そう思えばまた違った感慨も出てくるだろう。
などと、飽くまでも能天気で出かけられるから、楽しみな会だったのに。
なかなかというか、一向に衰えを知らぬコロナにはほんと、楽しみの全てを奪われる思いがする。
昨年に続いて今年も中止となると、いわゆる高齢者の集まり定年退職者の会としては、2年という空白は長いよね~。さて3年ぶりに再開するときにはいったいどれだけの仲間が減っているのだろうか。せめて自分は減る方の仲間に入らず、減った数を確認する立場に回りたい、と思うがこれとて保証の限りではない。いつ、どこで、何が起きるやら。
一方、定年後しばらくしてからお知り合いになったたサークルの先輩から寄せられる絵手紙は楽しい。
季節に合った題材を葉書いっぱいに描き、少しの隙間に目いっぱいの言葉が並んでいる。月に一度顔を合わせているときは絵手紙など頂かなかったが、サークルが休止になってから、折に触れ時に沿って近況報告代わりのご挨拶を頂く。ほんわかほっこり、気持ちを緩めてもらっている。
同時に届いた2枚の葉書。哀と楽。人と人のご縁の面白さを改めて思い知らされ気がしている。