小さな団地の小さな公園で遊ぶグラウンド・ゴルフ同好会。わずかな人数ではあるが、それぞれ年齢にふさわしい豊かで色んな人生があることに気づく。
ある日の練習が終わって「また明日~」の別れ際にふと趣味の話になった。「私はね、下手の横好きで俳句を少々」と小さな声でおっしゃる。「エッ、もう長いのですか」「正式な同人になって30年ちょっと」と。
ゴルフでは鮮やかな黄色いボールに18と書いてある。「娘十八番茶も出ばなの18ですか」と冷やかしたら、「それならいいのですが、81歳の誕生祝に主人が買ってくれた祈念のボールなので81と私が書きました」と笑う。ホールインワンでも出せば、スキップしてホールポストに飛んでいく、まさに年齢を感じさせない我が同好会のアイドルである。
そんな彼女が、〇〇さんには是非見て頂きたいとわざわざ持って来て頂いたのが全国ネットの句集『句は人なり』「同人」一千百号記念合同句集である。
正直驚いた。我が住む小さな団地にもこういった趣味の持ち主がおられるということに、目からうろこであった。
「句は人なり」の同人は大正9年4月、青木月斗さんによる創設だという。
「句は人なり」とは、「句そのものの充実と威力は一に作者の人格如何にある也。絶対的人格の人にして初めて力量ある句あり。」(創刊に寄せた青木月斗原文のまま)
600ページに及ぶ膨大な句集には当然、もう少し若かったころの彼女の作品も掲載されている。感銘を受ける作品である。
現在の代表は第8代目ということで、戦禍の中も営々と引き継がれて今がある価値ある同人句集「句は人なり」である。「私もまだまだ上手になりたいので続けていきたい」と意気なお盛んである。
「実は私も趣味として少し書いているんですよ」などと、おこがましくも似たような趣味の持ち主という話の中で、9年前の自費出版「我が人生今が旬」を贈呈した。
❝ 馬には乗ってみよ、人には沿うてみよ ❞ やはりいろんな人との出会いが人生を豊かにするものだね~。