昨年の花後の剪定が過ぎて、今年は咲くかななんて心配していた庭の金木犀。
主の気持ちを察してか、時期が来れば間違いなくあの小振りな花をいっぱい咲かせた。そして間違いなく、あのふくよかで甘い香りを振りまいている。
ちなみにキンモクセイの花言葉は「謙虚」「陶酔」「気高い」など。これもまたいい。
この花が咲き、町中を芳香が包むころに、我が家の小さな記念日を迎える。今年は51回目となる。昨年はまさにゴールド記念日とあって、娘が市内の観光ホテル1泊2日の贅沢をプレゼントしてくれた。来年はコロナも収まっているだろうから、その時は自前で51回目の記念旅行を考えていた。というのに、なんのこっちゃ、コロナは衰えを知らない。コロナ感染者の末路の哀れさをあれほど見せつけられたら、やっぱり知らない町の宿泊旅行に出かけるのは先延ばしになった。
その結果、51回目らしきことも何もなく、ホンの少し豪華な食事でお茶を濁した。世の中は今や、万来の旅行客を迎え入れる観光地が大賑わいというご時世とはなったが、ま、ものは考えようだ。別に今日の明日のとコロナ危険を冒してまでそれらしいことをしなくても、元気さもまだ残っているのだから、本気で安心して観光できる時を待って、心底楽しめるイベントでも考えよう。
そんなことを思っていたら、時を得たように時雨がやって来た。
"" 時雨るるや又きこしめす般若湯 ”” 川端 茅舎