黄金の地色に黒い縞模様、頬から下あごにかけて真っ白い髭がのびる。
前足をついた腹ばいで顔をすっくと上げたときの雄姿。そのかっこ良さは他に類を見ない、それはそれ勇壮そのもの。しかも清潔感もあって、まさにあらゆる動物の頂点に立っても決して恥ずかしくないのがトラ。
なのに百獣の王様にはなれない。百獣の王は言わずと知れたライオンであり、和名は獅子と呼ばれる。
このたび、本来なら世界をリードし、世界の警察権を持って久しかった大国の主になったのがトラさんである。このトラさんも、弱肉強食の世界を生きる動物のトラさんと共通するものがあるねーと感じている。
弱肉強食の世界を生きるのだから、弱い者いじめはお手の物。たとえお腹が減っていなくても、目の前を弱い動物が通れば容赦なく襲うといわれているトラ。そこへ行くとライオンは、お腹が減って減ってたまらなくなった時に狩りをする。お腹が減っていなければ小動物を襲わない。この紳士的な鷹揚さが、百獣の王様はライオンなのだ。トラになるよりライオンになれ、と子供のころに親父さんからしっかり教えられた。
残念なことにライオンにはなれなかった、トラにもなれないまま年老いてしまった。
プーさんという寒い国のオオカミに追い回されて命からがらのウサギを、トラは救うどころか「意に沿わなかった」と理屈をつけてオオカミに擦り寄るような態度で世界中をがっかりさせた。が、大富豪のトラを取り巻く周囲から何をやっても称賛の拍手が鳴りやまないのだから、メリカンという国はわかりにくい。同盟国という名の絆も、都合次第では頭越しになんでも先に結論を出されそうで、どうも落ち着かない。
今思い出したが、長い会社勤めの中でも色んなトラと出会ってきたねぇ。ところどころにライオンさんもいてはくれたがおおむねトラがうようよ。しかもキツネまでがトラの威を借りて弱きをくじき強きを助ける側に回る。それは会社時代だけでなく、普通に生きている今もその傾向は大きく変わらないのかな。おっとっと、トラのやり方が気に食わないことを書くつもりが、なんのことはない己の未熟をさらけ出すかっこうになった。
やはり、下手な考え休むに似たりということかもね。
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