いよいよ師走。気が付けば師走。あっという間にやってきた師走。
そんなこんな、色んな思いが交錯する中で迎えた師走。実感が湧かないまま早くも2日目を終えようとしている。
降る雨は時雨と呼ばれてやけに冷たい。
そんな中でも、穏やかな瀬戸の海に悠然とカモの群れは漂う。まるでわが世の春を味わっているかの如く、いさかいもなく静かに。
時折、人間が近づいたことへの警戒警報か、甲高い鳴き声を発する一羽がいる。あれは群れのリーダーの声なのだろうか。
ただ悠然と波間に身を任せているようでも、警戒心だけは怠ってはいないのだろう。
カモの群れは比較的数えやすい。たいていの場合、2羽が連れ添って漂っているから、1羽ずつ数える手間が省ける。
日本野鳥の会の皆さんのように、双眼鏡片手に、カウントケージを押すわけでもないが、ウオーキング方々砂浜を歩くときの退屈しのぎにはもってこいである。
人間から見れば、なんと寒いこの時季になんで海面なの?森の繁みの中のぬくもりはダメなの?と聞いてみたくなるが、それこそ大きなお世話ということなのだろう。かれらには、この場所が住処であり、食料も豊富な生活の場所なのである。
彼らのほうこそ我々人間に向かって、こんなことを思っているのかもしれない。
「この気忙しい師走のさなか、商売人は年末商戦に向かって大声上げようというときに、スピーカーを通して候補者や政党の名前を連呼してうるさいよな~」
「消費税は廃止して、社会保障財源は大企業から引っ張ってくるなどと、身勝手な見栄を張ったり並べたり、政権批判が全ての選挙活動であるかのごとき誹謗中傷に声を枯らしているな~」
「現政権批判の前に、自分ならこうして社会を変えるという、具体的な政策、選挙用の票集めでない、実現可能な政策を明らかにしない、出来ない野党が目立つな~」
「新聞だって、政権批判を集約するような社もあれば、現政権支援の立場の社もあるな~」 などと。
カモはしゃべらないから静かに漂っているだけだが、あれで口が利けたら、海面はさぞかし賑やかだろうな~。
カモは、ゆったり冬の海を漂うのが日常だからいいようなものの、人間社会はそうはいかない。海の上をゆっくり漂ってもらっては困る。
しっかりした経済成長のかじ取りをする見張り番を立て暗礁に乗り上げない政治を。平和を愛する国民性を発揮して、国家を守るべき歩む道をチェックする。その上で、ゆるやかでもいい競争社会の中で、切磋琢磨して自身の生活を守る努力をする・・・。言うは易し行うは難しかな。
ゆったりのんびり、海面を漂うカモの群れが羨ましく見えることもある。
慌ただしい12月、マイペースでボチボチやるのがいいね。