出発二駅目で引き返さざるを得なかった大竹駅
行き先も明示されてはいるものの、一向に動く気配のないレッドウイング。
今年襲来した数多くの台風の中でも超大型で、関東・東海1都11県をはじめ、日本列島各地に大きな爪痕を残しそうな台風19号。
記録的な大雨による浸水被害や土砂災害、さらには大風による建物の倒壊、停電など目を覆いたくなる惨状がテレビに映し出される。
季節的には最高の、10月14日体育の日までの3連休。スポーツイベントに行楽に、多くの人が屋外活動を楽しみ、コミュニケーションの輪も広がるであろうこのときに、指定の避難場所に避難を余儀なくされた人も少なくない。台風被害の損失に加えて、人の動きに合わせた経済効果も失われ、実質的には計り知れない経済損失となりそう。台風など発生しなければいいのに。
そのように日本経済を揺るがすような台風騒ぎの中で、こんな話をするのは不謹慎なのかもしれない。と思いつつ、ホンのちっぽけな体験話「初めての遭遇」を。
今日は倅の方の姫孫のお姉ちゃんが幼稚園最後の運動会で「見に来てよ」「見に行くからね」と、固い約束を交わした日であった。
「運動会が終わったら、じいちゃんばあちゃんお泊まりしてね。タコ焼きパーティをするんよ」と。何故タコ焼きなのか定かではないがそんなリクエストがあった。
朝5時に起きて、速い電車で呉まで行って・・・・・・と綿密な計画の下、周到な準備で出掛けた。
定刻通り電車は出発した。二駅目の「大竹」で、待っても待っても電車が出発しない。約15分たったころ「広島ー西広島間で強風のため運転を見合わせています」ときた。「そのうち出るだろう」軽い気持ちで少し居眠り。30分、1時間、1時間半たっても「運転見合わせ中、運転再開の情報はありません」の一点張り。
電車通勤は東京本社勤務の1年あまり、京浜東北線と東京メトロを利用しただけ。他は自宅から車通勤。電車に閉じ込められたのは生まれて初めて。
スマフォを駆使して倅、嫁、姫孫と緊密に連絡を取ったが、2時間待っても動く気配はない。運動会は午前中だけ。ついに間に合わないと判断。
電車を降りて帰宅する算段をする。といっても、下り電車はもちろん動いていない。バス便などありはしない。
唯一のラッキーは、出発から二駅目だったのでタクシー使っても破産しない距離であった。仕方なくタクシードラバーのニコニコ顔を見ながら。出発駅へ戻った。
どんなに周到な計画・準備をしても、自分の力の及ばぬところで挫折することは、この世の中にはあふれている。思い通りにいくなんてことはまさにラッキーなことであり、それが当たり前のことでは決してない。という教訓を改め思い知らされた次第。
姫孫にはまたいつか埋め合わせをしよう。楽しみがふえた。
我が家の台風19号の被害はこの程度のことで済んだが、上陸や直撃された被災地の方々に心からのお見舞いを申し上げたい。