農天市場の焼き芋釜は燃料が薪です。
毎年、その燃料の確保には辛苦するのだけれども、今年は一シーズンを杉の丸太で賄えた。
春先に、村の知人から大きな杉の木の処分を引き受けたのでした。
太い杉の木二本分の薪は大山を築くほどの量になっていました。
軽トラに積めるよう短く切っては有るけれど、薪としては長すぎるので、
エンジンチェーンソーを使って短く玉切りします。
時には柾目で、薪にするのにはもったいないような部分もあるけれど、節の部分は、中々割れない。
割るために使うのは、父に曰くを聞くことも無かったけれども、どうも前身は「ツルハシ」の斧です。
全ての杉丸太を割って積み上げ、覆いが出来たら濡らさずに済むのだけれどその暇も無い。
雨ざらしになっている杉の薪は煙を上げて中々簡単には燃えてくれない。
こんな南寄りの風だと、農天市場の中にも煙は入らないのだけれど、
いつも吹く、北西風だと焚口から出る煙が直撃することになります。
先日、二人連れのお客さんが来店し、奥さんと思われる女性は野菜を見て回ります。
その間、男性はしきりに杉丸太を点検し、感心しきりの態。
しばらく見ていたけれど、私に「この杉の木は樹齢80年ですねー」と感嘆の声で話しかけられた。
そうか、80年も育った杉だったら、きっと製材し良い建築材料になったのでしょうね。
植え主の思惑とはきっと違った焼き芋釜の燃料になり、熱々の焼き芋を作ってくれているのです。