昨日の朝は、自然落下式の屋根から雪が落ち、小屋根を叩く音がして目が覚めた。
半信半疑で明るくなった外を見ると、遠く山の上の「木沢」集落付近が白い。
食堂の窓から見下ろすと、なんと我が家の裏にも雪が見える。
とうとう、里にまで初雪が降ってしまったのです。
初雪に戸惑い、驚いたのはスズメ達も人間と同じ様子。
「ムラサキシキブ」の小枝に停まり、「オイ!雪だぜ!」「そうみたいね」なんて会話を交わす。
我が家の裏の水田は、ここのところ彼らの格好の餌場となっていた。
コンバインが使えず、乱暴にも収穫を放棄して草刈り機で稲を刈り倒し搬出したのです。
そのため、落ち穂が大量に残り、スズメ達は朝食タイムには数十羽も集まっていたのでした。
漂鳥であろうスズメ達には地上の全てが深い雪に閉ざされる雪国魚沼は最悪の環境。
それでも、この地を離れずにわずかな餌を求めて生きる姿は、魚沼の人々にも重なって見えてしまう。
毎朝、賑やかな朝食の光景を見せてくれたスズメ達も心なしか悄然としてみえる。
この地に留まり、厳しい冬を乗り越えようか、それとも雪の少ない所へ行こうかと悩んでいる。
根雪になる前にやるべき自分の仕事も山ほど残っていると言うのに、つい、スズメ達の事も心配してしまう。
「私たちは大丈夫、それよりもスベルべトーちゃん、自分の身の周りの事を心配してよ」なんて声は空耳だったか。