夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

佐藤愛子著「血脈」中巻 文春文庫

2007-10-08 21:17:07 | 本と雑誌

佐藤愛子著「血脈」中巻 文春文庫
佐藤愛子著「血脈」中巻 文春文庫
デザイン 多田和博氏
戦争が始まり 不安な時代に入り 敗戦し やがて日本は サトウハチロー作詞「リンゴの唄」と共に復興していく
その激しく変わる歴史の流れの中
次男 節(たかし)は愛人と 広島で原爆の為死ぬ

妻を裏切り続け 父佐藤紅緑には金の無心を続け

そして弥(わたる)は戦場で死ぬ

八郎の妻るり子は脳溢血で突然に死に

紅緑が頼みにしていた詩人福士幸次郎も死ぬ

紅緑も死んでいくのだ
娘達 早苗 愛子のそれぞれの結婚 出産 その夫達も登場する


お昼の洗い物終わって

2007-10-08 13:41:09 | 子供のこと身辺雑記

お昼の洗い物終わって
お昼の洗い物終わって
お昼の洗い物終わって
お昼の洗い物終わって
タイガーグリル鍋 もういちまい―という商品です

別に大きなホットプレートもあるのだけど それはダイニングで食事する時用で 和室で父が孫達と焼き肉 すき焼 鍋物する時は こちらが便利です

材料と食器を運んでおけば 娘が焼いてくれます
すき焼や鍋物は父が
父は食事の量が落ちていますが 孫達と一緒だと 少しは食も進むようです
気分が変わるのでしようか

父が食べるのは良いお肉でないといけないので お財布には かなり痛いですが(笑)

今度はシーフードを焼いても いいかしらん
海老 帆立て 貝柱 イカ

ステーキやハンバーグなども 焼きながら食べたら 美味しいかも
サラダとポタージュだけ 作っておけば

茹でたマカロニ じゃがいも いんげんのサラダ

なんか今お腹いっぱいだけど
夕飯おかず どうしましょう

さつまいもと薄揚げの味噌汁

鮭のムニエル オムレツ サラダで いいかしらん


お昼ご飯は

2007-10-08 11:51:53 | 子供のこと身辺雑記

お昼ご飯は
お昼ご飯は
お昼ご飯は
お昼ご飯は
焼肉です
さつまいも じゃがいも 人参 ピーマン 椎茸は さっと茹でてあります

お肉は焼肉のタレにつけて

あとは―父のいる和室にホットプレート運んでいくだけです お肉は2種類
焼き肉のタレにつけたのと 砂糖 醤油 味醂で焼きながら味付けするのと
(こっちは野菜のないすき焼きみたいになります)
プレートを変えてのことになります
あと もやしとキャベツは 台所で炒めておきます

野菜もたっぷり食べてもらわなきゃ♪

主人は仕事で会社ですが 子供達は休日で家にいます

今日は賑やかな昼食になりそうです


佐藤愛子著「血脈」上巻 文春文庫

2007-10-08 08:19:55 | 本と雑誌

佐藤愛子著「血脈」上巻  文春文庫
佐藤愛子著「血脈」上巻  文春文庫
文豪 佐藤紅緑 その二度目の妻の娘として生まれた作者が 父 腹違いの兄姉 佐藤家を囲む人々 自分の母 そして勿論自分のことまでも書き切った 渾身の大作

紅緑は兄妹と称して きた女優志願のシナを よそへ行っている妻ハル留守の部屋に 兄と名乗る三浦を書生として家に置く

紅緑には別に芸者上がりの妾もあった

やがて兄妹が偽りであると知り 親子ほど年が違う若い女シナへの欲情募り おさえきれなくなり 遂にある夜 部屋に押しかけ襲い 手ごめ同然に関係を結ぶ

妻ハルが帰宅すると あろうことか妾の家に預けた
三浦とシナの復縁を恐れたのだ

シナにのめり込み ひたすら情熱のままに進む紅緑

シナはそんな男を迷惑に思いつつ 別れようとすると狂気じみた言動とる紅緑にひきずられる

シナは自分自身の力で女優として生きたいのだ

シナを正妻にしようと妾と別れ 妻ハルとも離婚しようとする紅緑

父不在の家で しかも両親の別居により てんでばらばらに成長する兄弟達は いつまでも父親の金をあてにし せびりながら生きる
弟久への父からの金まで横取りする次男節
その為 遂に久は女と心中する

女は助かったが久は死んだ

働いても働いても 息子達は当然のように金を要求する

もてはやされる詩人となった長男八郎さえも
先妻ハルとの間の喜美子が病死してからは シナとの間の二人の娘
特に末の愛子の成長が紅緑の楽しみだった


「山の宿・四」

2007-10-08 00:33:49 | 自作の小説

渓流にかかる橋
道の両側の樹々は手を差し延べ合うかのように アーチ形を作り 自然の緑のトンネルが口を開けているようにも見えるのだ
かのモノ達は―その姿は皮膚を剥いだ人間のように見えなくもない
筋肉組織がむき出しになった ― ようよう人がたをとれているモノ達は・・・

その先頭にいるのは 智夜子なのだった

「世の中に復讐したいとは・・・思いませんか?」
人間の姿に戻った智夜子は言う

「同じ生き物であるのに 太っている 見掛けが整っていない そんな些細なことで 笑われ いじめられ
何もしてないのに

そんな世間へ仕返ししてやりたいと」

穏やかな落ち着いた口調 快い響きの声
「この宿の泊まり客の一人は世を呪いながら自分の 他人から醜いと笑われた自分の体を切り刻んで全身から血を流し死にました
その血を呑んだモノ達へ 無念の思いと力が伝わり 同じ思いの人間を引き寄せ 血を貰うことで次第に力は増幅されてきました

ただ待っていても 人は来ません

私達には新しい血が必要なのですし」

少しずつ智夜子は近付いてくる

「貴方は私達と同化できます 森の祠へまいりましょう 主が待っておられます」

これだけの数に囲まれていては逃げきれない 主なるモノに興味もあり 彼は―どうせ死ぬなら―見ておいてやろう―
絶望の中の開き直りであった

「私達は もっともっと増えます 力を持ちます 」
智夜子は話し続けていた

何やら声に催眠効果があるのか 彼は次第に何もかもどうでも良い気持ちに包まれていく
「人間なんて体の中に血が入っただけの袋にすぎません」

「たぷたぷと血がつまった・・・
私達は人間を飲み干し 楽しく生き続けるのです
ずっと ずっと」

そうしたら高倉 あの気の良い男も 東条阿由子も化け物の餌食になってしまう

昔 色の白い勝ち気な少女 二つに分けて耳の上でくくり丸い髪飾り 三つ編みの あれが阿由子であったのか
そういや ちょこちょこついてきていた

俺一人の命なら仕方もないが

友人達 同僚 姉貴

駄目だな・・・

―彼は智夜子の声を斬り捨てた

橋を渡り川沿いの道から森の中へ
祠へ近付いていく

みしっみしっ 頭上の枝がしなる

一枚 気の早い紅葉が流れるように彼の目の前に降ってきた

何の気なしに受け止め 胸ポケットにしまう
祠の扉が開いた・・・

祠の半分占める生き物
「智夜子 未熟者め 悟られたな」
呆れたことに ソレは喋るのだった

智夜子はソレの前に平伏する「すみません」

「同化できる人間は少ないが 誤魔化せぬぞ 男よ

こやつを食らうてしまえ!」

にじり寄る茶色い集団
彼はポケットからライターと煙草を取り出し深々と煙を吸い込んだ
次から次へ煙草に火をつけては投げていく
「やるよ」親玉のでかい体へ煙草をねじ込む

ソレは吠えて暴れ 古い祠は壊れ 彼の頭の上にも何か落ちてきた
薄らぐ意識の中 彼は巨大な龍が飛んでいる姿を見た―と思った