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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「繭の見る夢」-総力戦ー4

2013-08-31 22:01:23 | 自作の小説

母娘ながら会わないでいた時間が長い

陽秀は新聞などで母の姿を見ることはあったが 実保子は尼となってからの陽秀を見たことはない

着ていくものに迷ったが 普通の洋服で出かけることにした

髪は短くはしているが剃髪はしていないから ごく普通の人間に見えるはず

一方 実保子はじりじりしながら娘を待っていた

産みたくなかった娘 あの男の子供

それでも器として体を使えるとならば 産んでおいてよかったのか

何一つ思い通りにならなかった娘

白塗りの厚化粧 濃く塗られた口紅は赤を通り越して茶色に見える

ヴェール付きの帽子を被っていた

本人は知ってか知らずか 彼女を嫌う人間はこっそりと「不気味婆さん」と呼んでいる

かつてほどの力は実保子には無かった

今まで利用してきた闇からさえ 冷たくあしらわれている

娘の体を乗っ取ることで 少し若くなることで 「力をふるえる立場」その座にしがみつこうとしている

怨と欲と虚栄の人生

どれほどの人間を苦しめ死においやってきたか それでもまだ満足しない

巴弥都真太郎とその血縁者達の命を奪い続けてきた

皆 死んでしまえと

これまでは闇を利用してきた

その味がわすれられずにいる

案内されて陽子が近づいてくる

「お母様ー参りましたわ」

「けっこう おばさんになったわね」

「もう50ですもの」

そうだ 親が決めた許婚者(いいなづけ)の巴弥都真太郎が 自分を捨ててマツエと駆け落ちしてから

半世紀

真太郎とマツエの一族を根絶やしにするのだ

まだ生き残っている者がいる

「たまには親孝行しておくれでないかい」

実保子としては下心があるだけに 下出に出たつもりの言葉をかける

「どうしろと」

「ああ いやだね このコは何を身構えているんだか ただ買い物に付き合ってほしいだけさ

母娘で一緒の買い物すらしたことが無かったなと思ってさ

車を待たせているのさ

何か見たてさせておくれよ」

母と一緒の車ーぞっとしない話だった

運ばれてきた紅茶に口をつける

その紅茶は おかしな味がした

母親が何か話している

でも聞こえない やたら周囲が揺れる

揺れるー

向かい合った席に座る陽子の体がテーブルにつっぷすと 実保子はにやりと笑った

おもむろに「連れが具合が悪くなったようだから車まで連れて行きたい」-と言い出す

この店も実保子の持ち物だった

ー家出した娘を連れて帰るーが実保子の言い分

従業員たちは店の外まで陽子を運んだ

と 一人の女性が立っていた「友人を返していただくわ」

にっこりして従業員達から 陽子の体を取り戻す

ほっそりした女性なのに どうやったのか

「お返し!人の娘を!」

実保子が怒りの声を上げた

「陽秀さんは帰りたくないと言ってました 私は頼まれていたのです もしもおかしなことがあった場合はーと

自分の母親に会うのに用心しないといけない娘って そんな心配をしなければならないなんて悲しいものですね」

「お おだまり この子は勘違いをしているのよ」

「先ほどからのなさりようを見ては 勘違いとは思えません」

女性は実保子をじっと見て それからため息をついた「やはり そうですか あなたは老いぼれた自分の体を捨てて 陽秀さんの体を奪おうとしたのですね

闇の力を借りて

あなた そんなことが本当にできると思い込んでいるのですか」

「おまえなどに言われる筋合いはないわ 」

「ふん」女性は笑った 「たかが半世紀以上も昔の失恋に拘泥し 悪事を重ねてきた人間に言われたくありません

私は あまり似ていませんが わかりませんか? 私が」

「?」

「私は当代の巴弥都家の巫女です」と加佐矢優希は言った

巴弥都ーという言葉を聞いただけで 実保子の表情が変わる

優希はきぬえから本当の巫女の座を儀式をして譲られていた

優希は言葉を続ける「そして巴弥都マツエの娘でもあります」

母親の実保子の罪ほろぼしをしたい陽子は 一番に巴弥都真太郎に連絡を取った

優希を紹介され 今では親友の一人となっている

二人は年齢も近く 共通する話題も多かった

これまでの話はこちらです↓

「繭の見る夢」-総力戦ー3


「この夜を壊せたなら」-異形狩りー6

2013-08-31 13:58:07 | 自作の小説

デイアンの車からデレクが呼ぶ

「一旦は退散だ」

デイアンに運転させて デレクは目につく狼頭達をぶっとばしていく どんな弾丸を使っているのか 狼頭達は体が中から爆発するようだった

「できるだけ派手に運転してくれ 子供たちと教師ならライアンと妹が反対側からバスに乗せて逃げている 

これは特注の弾丸 鯨も粉々になるーって触れ込みだった」

巨大ミミズの化け物が砂漠で人を襲うことが 昔あり その時に用意されたものだと言う

狼頭たちは反撃は考えていなかったのだろう

いかなる理由か呉坤達が戦闘不能に陥っていて 町を一周して戻ってきてもまだ凍り付いたままなので

デレクは 有難くがんじがらめに坤達を縛り上げたのだった

厳重にー

象も眠るだけの眠り薬を注射して

非常用に作られたという半地下の鉄格子ある部屋に 坤達を入れる

足首には鎖もつけて 荷物のように寝台へ置いた

それから再び町を巡回 生き残りの狼頭がいないか調べて回る

死んだ狼頭達はかなり使えそうな武器を持っていたので それは没収

町の被害を見て回る

狼頭達はライアンと入れ違いあたりの時間に襲ってきたらしい

保安官事務所からバスのライアンへデレクは連絡した

無事な人々と協力し 怪我人は町の集会所へ運び 助からなかった人はー葬儀屋へと運ばれていく

点呼をとるように無事だった人々の名前を控えるのはキャスリーンがしていた

デイアンはデレクの旧友で偶然居合わせたー町の住人には そう説明した

今回デイアンは非常識な戦い方はしていないのでー どうにか受け入れられることができた

姿が見えない医師の代わりに 負傷者の手当てをしている

デイアンはミリオンの傍にいた時に治療の基本くらいは教わったのだ

吸血鬼は怪我は自分で治すしかない生き物だし 基本的には

あの化物たちが どういう理由でこの町を襲ってきたのか

それを知らなければいけなかった

呉坤達はしゃべるだろうか 言葉を話せるのだろうか

まだ その声を聞いたことすらなかった

何故 呉だけ 狼頭ではないのだろうか

呉坤達は夢を見ていた

「お前のような人間を増やせば お前は孤独ではなくなるだろう?

その為に材料が必要だ 集めてきてくれ そして邪魔するものは排除せねばならない

わかるな」

坤達には家族がいなかった

少年より以前の記憶はない

目覚めると「おめでとう お前は唯一の成功だった」

それから訓練 検査 何かの注射

その繰り返しで生きてきた

時々 声をかけてくる男

命令出す男が唯一個人的に声かけてくれる相手

その男に言われるままに

それが何故 あの女を殺せなかった

体の中から何かが止めた

動けなくなった

あの女はなんだ

何者だ

俺の体の中に何がいる

体が動かなくなる

こんなことは初めてだ

その頃 坤達に命令を与えた男は 報告を聞いた

ー呉(ウー)は帰ってこなかったかー結局はあれも失敗作だったかー

狼頭のままでもいいんだ 強くなくては意味がない

弱いから負ける

 

もっと強い生き物を作らなくては スペインの無敵艦隊さえ ついには英国に負けた

清も英国に負けた

負けない国をつくるには 強い兵隊 兵士が必要だ

殺しても死なないような 命令には従順 

逆らわず事の是非も考えず ただ任務を必ず遂行する

その目的のためなら どれほどのモノを虐げても罪ではない

我らが民族のために世界はあるのだから 他の民族 国などどうでもよい

おとなしく我らが国へ従えばいい

いっそ我らが国のみになれば よほどすっきりする

この他を顧みない思い上がりこそが 世界中の国を自分の国より下に見ることが当然という厚かましさこそが この国の政治家の考え方

口先では世界平和のどうのと言うが事実は 全く「そんなぬるいこと」は考えていない

侵略国家なのだ

攻めて分捕ればこちらのもの

その国の人間を皆殺しにして 自分の国の人間を送り込む

そんなふうにして領土を伸ばしてきた

欲しい土地は分捕る

そうしておいて元々歴史上自分たちの国土であったと言い張る

正しく「歴史を認識すべきだ」と開き直る

そんな盗人猛々しい国なのだ

 

正義も何もない厚かましいだけのバカで非道な国だ

おまけに独創性が無いからよその国がつくったものを まんまマネしてパクリ「我が国独自の」と言い張り抜く

 

この男は その考え方は当然ーと思っているのだった

そういう不思議なーよその国から見れば ーお笑い草の非常識なー教育を受けて生きてきた

 

村ごとや町ごと破壊するのも任務の前には当然のことーだった

人間をさらい血を抜き 実験材料にする

「それが どうした」というわけだ

自分たち民族や国家の役に立つのだ 有難く思え

存在理由を与えてやったのだ

 

 

どっぷりと血に染まった男だった

新らしい生き物を創る 無敵な軍隊をつくる

なんとわくわくする任務だろう

 

 

いっそトカゲのように腕が千切れても生えてくる生き物を創れたなら

 

強靭な肉体

攻撃力

不老不死もいい それができたら 自分もなる

不老不死 永遠に生き続けてやる

 

昔 不老不死を願った皇帝すら願い叶わず死んだのに

これまでのお話はこちらです↓

「この夜を壊せたなら」-異形狩り-5


2013-08-31 09:06:18

2013-08-31 09:06:18 | 子供のこと身辺雑記



朝から湿度が 高くて やたら汗が出ます

ちょっと休んだら 豚カツを揚げる予定です

長男が応援するソフトバンク 首位の楽天に中々勝てません

カツ効果を祈ってー

玉葱と豚肉を炒め 焼肉のタレで味付け 生野菜の上に盛る

野菜サラダの上にハムエッグを乗せただけ 朝御飯は手抜きばかりです

野菜 たんぱく質 果物 が あればいいというー(笑)