菩提樹荘の殺人 (文春文庫) | |
有栖川 有栖 | |
文藝春秋 |
臨床犯罪学者の火村英生准教授と推理作家の有栖川有栖のやりとりも楽しいシリーズの これは短編集です
「アポロンのナイフ」
整った顔の美しさからアポロンと形容される未成年の容疑者が東京都下で人を殺して逃亡
有栖川有栖はその容疑者が自分が言葉を交わした相手ではーと思う
大阪の八尾でも女子高生に続いて男子高校生が死んでー 逃亡中のアポロンによる通り魔殺人ではないかとー
だがー これは別の事件であった
単純な事件を複雑にしたのは 未成年による犯罪が 容疑者となった途端に名前など公開されずに保護されることに かねてから問題視する人間によって犯罪に関わる重要な物証が隠されたこと
「雛人形を笑え」
雛人形というコンビ名の相方の女性のメビナの矢園歌穂が殺された
その死に姿に疑問を抱いていた火村は 偶然にも有栖川有栖が持ち帰っていたモノから それが殺人犯を示すポーズであったと知る
「探偵、青の時代」
有栖川有栖は偶然にも大学時代の知人女性と出会う
彼女が語った学生時代の火村の想い出とはー
探偵は謎に気付いて謎を解く
時に気付いてほしくない謎であっても 解いてしまう
ゆえに 孤独な時もある
「菩提樹荘の殺人」
テレビにも出る有名人の死
男は衣服も脱がされて死んでいた
どうして服は奪われたのか
もしや犯人ではーと疑われた人間達の犯人以外の人間はどうして 犯人ではありえないか
実にわかりやすく火村は犯人を示します