監督 三池崇史
脚本 宅間孝行
主題歌 「愛と誠のファンタジア」
エンディングテーマ かりゆし88「笑っててくれよ」
ー愛は戦いである 武器の代わりが誠実であるだけでー
という元インド首相ジャワハルラール・ネルーが娘(後の首相インディラ・ガンディー)へ宛てた手紙の言葉が入る
愛と誠 子供の頃の出会いの場面はアニメ
愛を助けた為に 誠は額に大きな傷を負う
それから1972年 東京に舞台は移る
早乙女愛(さおとめ あい)高校3年生 愛を演じているのは武井咲さん
彼女は喧嘩を目撃する
「ふざけんなよ田舎っぺ 花の東京の喧嘩殺法 見せてやるぜ」
都会の不良集団が一人の男にかかっていく
彼こそ太賀誠(たいが まこと)その昔 愛を助けた男の子だ 演じているのは妻夫木聡さん
誠「やめろと言われても 今では遅すぎた 激しい恋の風に(-と途中から歌いだす 西城秀樹の「激しい恋」を)
まきこまれたら最後さ~~~」
1972年に「愛と誠」で誠を演じた 当時御三家の一人で絶大な人気を誇った西城秀樹さんへのオマージュでしょうか^^;
でもって喧嘩してます 歌いながら不良さん集団と
そこへ「暴力はいけないわ」と愛出現
警察が来て不良さん集団は逃げてきますが
誠は愛が邪魔して逃げられず 少年院送りに
しかし早乙女財閥のお嬢様のお力で 誠は愛が通う名門校に転校 生活する部屋も愛お嬢様がご用意
転校生の紹介をする教師(前田けん)が「ポケットから手を出せ」と誠の態度を改めさせようとすると 誠の出した拳が教師を直撃
早乙女愛を崇拝する岩清水弘(いわしみず ひろし)登場 演じるは斎藤工さん
ああ火村英生にこんな哀しい過去が!(笑) だから反動で殺人騒動をかかえてしまったのね(絶対に違う・爆)
岩清水クンは歌います にしきのあきらさんの「空に太陽がある限り」を
踊りも付きます
かなり体力を消耗するかと思います
「愛してる とても 愛してる 本当に 愛してる いつまでも 空に太陽がある限り」
フルコーラスです
「空に太陽がある限り」のフルコーラス 随分と久しぶりに聞きました
この岩清水さん どう見ても激しく変な奴です
優等生らしいのに お気の毒に お勉強のしすぎの副作用でしょうか
エロ封印の斎藤工さん もしやヤケッパチで演じているのでは
楽しんでいるならー立派なヘンタイさんかと 気の毒に火村さん(最終回も中途半端だったし ホームズとモリアティ教授かーて 滝だし)
その熱演にさめてる誠「おい メガネ」
岩清水「メガネ メガネ言うな 眼鏡は顔の一部なんだ」
(そうか 君は眼鏡をかけて生まれてきたのか 珍しいお方だ)
愛が自分を愛しているからだという誠には
岩清水「愚かな人は妄想が激しすぎる」
誠「お前にだけは言われたくない」
(同感です)
岩清水弘は かつて愛に送った手紙に書いています「君のためなら死ねる」
そして愛は「わたしは誠さんを愛しています」 そして「あの素晴らしい愛をもう一度」を突然歌いだすのです フォークソングもどきの振り付けで
時々強引に誠も巻き込みながら
(ああ・・・・愛もアホだった)
家に帰れば愛の両親も歌って踊るのです
早乙女家の家風なのでしょうか
早乙女将吾(市村正親さん)
早乙女美也子(一青窈さん)
(早乙女家は両親も馬鹿でした 血筋がおそろしい)
誠から金が欲しいと言われた愛は これ以上は両親には言えないーと働くことにします
愛さんメイドふうの洋服に
そして愛が働く姿をずっと見張っている(見守ってはいないと思う)岩清水
愛のバイト先を知り 不良になってしまったと嘆く早乙女愛の両親
名門校を追い出されて誠は 荒れきった花園実業へ転校
そこでスケ番のガム子(安藤サクラ)を逆さに吊るしー哀れガム子は綺麗な白いパンツが丸見え状態に
で ガム子は誠に惚れるのだ
よくわからない趣味と嗜好だが
誠がトイレで吐いていると「ここは女子トイレ」と怪しい優しさで登場の高原由紀(大野いと)
彼女は藤圭子の「圭子の夢は夜開く」を歌う
誠は「悲しい女」と書いた紙を残して去る
花園の不良達と戦う誠
伊原剛志演じる座王権太は「狼少年ケン」のテーマを歌って踊る
ワ~~~オ ワオワオ
(子供の頃 観てた 片目のジャックだっけ 好きでした)
気の毒な権太は「おっさんにしか見えない病」にかかっているそうだ
決して老けてるわけじゃないらしい
裏で学園仕切る由紀の「恋の奴隷」(往年の人気歌手・奥村チヨのヒット曲の題名でもある)の権太
大勢と戦ったあと しかも突然に出現した愛が「暴力はいけないわ」と邪魔するので 権太にやられる一方の誠は倒れる
権太「なんや もっと面白い奴や思てたけど つまらんのぉ」
誠は入院
愛が病室を出て行った後 今度は高原由紀が見舞いに来る 続いてやってきたガム子だが 病室に由紀がいるから 病室の外へ花を置いて去る
更には花園実業の不良さん達も団体で登場「太賀の病室 何処や~~~」
確か怪我で入院の誠 元気に闘っています
権太は「さるかに合戦」の権太ふうの独特解釈を話し「なんでや~~~牛のうんこを」と叫んだりもしています
で授業中に「嫌な予感がする」と愛は突然 花園実業へ転校
外から双眼鏡で愛の様子を見ていた・・・・・・
一途にストーカー愛溢れる岩清水も 追いかけ転校を
どう用意していたのか 名門校の服を脱いで 屋外で着替えていた岩清水
ー君を危険な目に遭わせるなんてできない 君の為なら死ねるー
非力なんだけどね
そして眼鏡を不良達からネタにされると「メガネを馬鹿にするとメガネに泣くぞ!」
誠と行動する由紀は 「悲しい女」と言われて 悲しい女と言われたら入る怒りスイッチが入ってしまう
命令に従いガム子は愛を麻袋に詰める
岩清水は誠に救いを求める
誠が早乙女愛の愛は「俺をピンチにするだけじゃないか」
と言ってもめげない岩清水
「君への愛は無償の愛だ ここまでの愛は母親の子供に対する愛以上だ
早乙女君を助けに行ってくれ 頼む
僕が助けに行って 僕が死ぬのは単なる自己満足だ
早乙女君を助けられるのは 僕じゃない 君なんだ
僕の願いは 僕の幸せじゃない 早乙女君の幸せなんだ
どうか彼女を助けに行ってくれ 頼む」
一方 高原由紀は誠の母親もさらってくるように言いつけます
誠は愛を助けて額を怪我しました そこから破傷風になり治療は高額かかり 父親はいなくなり 酒浸りになった母親もいなくなり
いわば愛を助けた為に家庭崩壊になった
場末で荒れる母親を見る誠の姿を由紀も見ていました
誠の母親役の余貴美子さんは河島英五さんの「酒と泪と男と女」を迫力の熱唱です
「わたしは自分をコケにする奴は許せないんだ
わたしが花園を実質仕切っている人間だよ
わたしを馬鹿にした奴を わたしは決して許さないだけだよ」
由紀が幼い頃 父親はいない
朝にならないと帰らない母親は 帰ってくると由紀に暴力をふるった
由紀もやり返すようになり傷だらけ
やがて母親にヤクザの情夫ができる その男は由紀にも手を出してくる
だからー包丁で刺してやりました
警察に保護され 母親とは別々に暮らすようになり 刺したヤクザの親分が由紀を養子にした
友人達はヤクザの娘をこわがり去って行き
それでも
「わたしは悲しい女じゃない」と由紀は言う
早乙女愛は吊るされている 「ああ そうだ 誠さん おかあさまが狙われています」
誠「俺を捨てた女だろ むしろ好きにしてくれてかまわないぜ」
誠 由紀の手下達を叩きのめす
由紀は愛をひっぱって逃げる
そして今度も狼少年ケンのテーマと共に座王権太登場
由紀「わたしを心から慕う用心棒よ」
空気の読めない愛は一方的な愛を「あなたは私の永遠のヒーローなんです」
最初は権太に負けそうな誠だが 権太は知らずに禁句を言ってしまった
誠の額の傷を「月光仮面みたいな」
子供の頃からそう傷のことをからかわれると怒りのパワーアップの誠
権太を斃す
権太「なんでや~~~」
愛は誠を由紀の攻撃から庇い傷つく
由紀「いつまでもメロドラマしてんじゃねえよ」
愛が傷つき 由紀を押さえつけて誠「二度と(武器を)投げられない手にしてやろうか」
愛「やめて!誠さん」
そして愛は頽れる
「太賀君 早乙女君」と岩清水登場 (君は今まで何処にいたんだ?)
誠「病院に連れて行ってやれ」
岩清水「君だって重傷じゃないか 何処へ行く」
誠「俺には まだやらなきゃならないことがある」
愛を岩清水に任せ さらわれているかもしれない母親のところへ向かう誠
報せで権太も由紀も誠にやられたと知ったガム子
誠の母親をさらうのをやめる
ガム子「さすが 一瞬でも わたしが惚れた男だよ」
ガム子 ガムを吐き出し「わたし 普通の女のコになります」と宣言
尾崎紀世彦の「また逢う日まで」を歌いだします(声がすっごくきれいです)
でも去って行く後ろ姿は ちょっとホラー映画のよう
誠の母親(余貴美子さん)は線路に座り込み「もう死ぬしかねえな もう生きてる価値のない人間なんだよ」
後ろから母親を抱えて誠「俺も一緒にくたばりたいんだよ 死んでやるぜ」
誠の子供の頃を思い出す母親
しかし背後の男が自分の息子の誠とは気付いていない
母親「あんた 本気かよ」
誠「しっかり押さえといてやるからよ 俺一人で死ぬのもゴメンだから」
電車の近づく音がする
母親「死にたくない 死にたくない
助けてくれ 誠 助けて おかあちゃん 死にたくないよ~~~」
間一髪 電車を避けて 母親を抱えて転がる誠
母親「この唐変木! 何すんだい」
誠「一度 死の恐怖を味わうと二度と死ねないらしいがーまぁ 元気でやんな」
母親「大きなお世話だ」
誠「本気でアンタと死のうと思ったけどさ
最後の最後で 名前口走ってくれた 」
母親「え?!」
誠「気が変わっちまったよ お袋」
母親 まさか・・・の表情
誠「達者でな」
明かりが当たり 前髪が揺れて額の傷が見える
歩く誠
病室では 愛の傍に付き添っている岩清水「もう大丈夫だ」
愛「誠さん?」
報われない岩清水
愛「ごめんなさい 岩清水君」
岩清水「来るよ 太賀君は きっと来る」
歩き続ける誠の背後にフードを被った怪しい人影
誠 刺される
刺したのは名門校の教師 誠に殴られたことを恨みに思っての犯行だ
そのまま流血しながら歩く誠
よろめきながら 愛の病室へ向かう
(ここで何故 愛の入院している病院がわかるんだろう 携帯もないのにーなんて思ってはいけない 映画も終盤 つっこみはおいておこう)
眼の下にクマ 死相の出ている誠
誠の姿を見て 岩清水 病室を出て行く
愛「来てくれたのね 勘違いじゃないよね」(「この勘違い女」と以前 愛は誠に言われた さすがに覚えていたらしい)
愛の肩を抱いて優しい笑顔の誠
そして・・・死
岩清水は病室の外で 血に気が付いたがー
画面はアニメに 子供の頃の誠と愛
誠「おんぶしてやるから泣くな!」
額から血を流しつつ 愛を背負って歩く誠
絶大な人気あった漫画「愛と誠」
長い連載の末に誠が刺されて死んで終わっています
刺されながら誠は愛の待つ砂浜に向かってー
映画化にあたり早乙女愛役はオーディションで選ばれました
役柄名を芸名にして「早乙女 愛」としてデビューした女優 早乙女愛さんは2010年7月20日 51才で亡くなられています
もしも生きていて この映画をご覧になっていたら どういう感想を持たれたでしょうか
実に不思議な映画です
ヘンな魅力もあるんです
マトモな登場人物は ほとんどいないのにー