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「勇気があるなら、チェ・ソッカンに聞け。何故兄さんを憎んでいたのか。果たしてその真実に耐えられるかな。」
ヒョニルが言いました。
スヨンは、ふと思い出しました。
看護師たちが話していたことを。
「“お前も娘が死ぬのを見て逝け”とチェ教授が言ってた。」
その足で、スヨンはソッカンの元を訪ねました。
「前に言いましたよね。ユビンの代わりに私を助けたことを悔やんでいると。何か私の知らない訳が?その選択に父が・・・。」
「私が記憶している前理事長は娘に最善を尽くす人だった。そう覚えておけ。私はユビンに最善を尽くせなかった。」
とだけ、ソッカンは言いました。
生後4か月の乳児の手術が検討されました。
手術自体は難しいものではありませんでした。ただ、遺伝的な疾患がありました。
生存率の極めて低いもので、手術をする意味がないのでは?とソッカン。
難しい問題でした。
スヨンは出来る限りの手を尽くしたいと考えていました。それが生まれて来た子供への愛情だと。
でも、現実問題として、幼い子供の養育は全て親にかかってきます。だから、親が判断すべきだと言うのが、ソッカンの意見でした。
遺伝的疾患を承知で産んだのなら、少なくとも母親は諦めたくないのでは?と、テス。
「医師に出来ることがあるのなら、最善を尽くすべきです。」
意見は平行線を辿りました。
どちらの意見ももっともなものだと思いました。
手術しないのは見捨てる事だと?とソッカン。
最善ではない筈です・・・とスヨン。
「それは、君の価値観でしかない。君のいう最善が患者にとって最善だろうか。」
では、教授の“最善”とは?と聞かれたソッカン。
「時間を無駄にしないことだ。」
即答でした。
「だから、叔父に協力を?叔父が小児心臓センターを許可する筈がない。叔父を信じるんですか?」
誰も信じない・・・とソッカンは言いました。
祈祷師の手術が始まりました。
手術前に、祈祷師は自分は手術中に死ぬと言っていました。だから不安だと。
それには理由がありました。テスたちが知らない理由が。
手術開始直後に大出血が起こりました。
手術の痕が体に残っていたのを不審に思ったテスが看護師に調べさせていた時の事です。
なんと、以前、胸腺ガンで手術をしていて放射線治療を受けていることが判明。
患者はそれらを隠していたのです。
それでは医師は正確な病状を把握することは出来ません。開けて初めて分かるという事です。
テスは勿論、ドンジュンもスンジェも皆が必死に対処し、何とか成功しました。
今度はスヨンが放送局のインタビューを受けました。
スヨンは自分が胸部外科を選んだ理由を正直に話しました。何度も心臓の手術を受けて来たと。移殖手術も・・・と。
胸部外科の手術室は戦場のようなものだと言いました。
「それでも外科医は患者を救わなければなりません。私たちが諦めたら、患者は行き場がありません。」
ソッカンは反対のまま、乳児の手術が行われました。
スヨンとテスは、ただ1日でも一緒に過ごせれば・・・と言う母親の願いにこたえようとしました。
1日が1か月、1年になるのを期待して。
その頃、ソッカンはヒョニルと共にハン・ミンシクに会いに行っていました。
しかし、ハン・ミンシクは、ヒョニルの申し出を断りました。
と言うか、自分が心臓を病んでいると言う事すら、噂だと一蹴したのです。
ヒョニルは、この件が流れたら、小児心臓センターの件も白紙になるとソッカンに言いました。ソッカンは行き詰ってしまいました。
そんな時、ソッカンに直接ハン・ミンシクから連絡が入ったのです。
ハン・ミンシクは、自分ではなく、補佐官の手術を引き受けてほしいと言いました。
心臓がんだとかで、手術も難しい状態だとか。
たとえ、成功したとしても、余命は数か月だと言いました。
私でも難しいかと・・・とソッカンが言うと、
「誰が助けろと言った?」
と、ハン・ミンシクは言いました。
手術中に死ぬのが、ハン・ミンシクの望みなのです。
どうも、対立しているようですね、補佐官と。
「2人だけの秘密だ。」
と、ハン・ミンシクは言いました。
でもね、裏にはヒョニルがいました。
流石にソッカンも迷いました。
で、テスの意見が聞きたいと思ったようです。
状態を聞いたテスが、するのかと聞くと、ソッカンは、すると答えました。
乳児の手術を無意味だと言ったのに?とテス。
「君が反対なら、やめる。」
と、ソッカン。らしくありません。
テスはふっと苦笑し、それは教授が決めることだと言いました。
ソッカンは、ヒョニルに手術の件を打ち明けました。
ヒョニルはしらばっくれて、引き受けるよう言いました。
検討会にかけた時、テスは、この手術が先日ソッカンから聞いたものだと察しました。
誰もが反対しました。
スヨンは当然です。
ところが、テスが助手として入ると言ったのです。
理由を聞いたスヨンに言いました。
「執刀を決めた理由をこの目で確かめたい。」
そして、手術が始まりました。