か弱い女性が線路上にうずくまった男性老人を助けに走り、避難させることは出来たが、ご自身が電車にはねられて亡くなられたことは、まことに、まことに残念でならない。今どきでも、世の中には天使のような人がおられたのだ。
とっさに「助けなくては」と、間に合わないからやめとけと言う父を残して飛び出した。ご自身も危ない事は分かっていたはずで、凄い勇気ある判断だった。
テレビで多くの人が献花しているのを見て、私も真似して近くだったら献花したいと思ったものの、横浜市ではちょっと遠すぎる。申し訳ありません。
40歳の女性がどの程度の体力か分からないが、普段運動をしていない人だと、筋肉が相当衰えている。軽い老人でも男性だと55kgぐらいは有る。まず、持ち上がらないし抱えられない。その老人を移動させたんですね。驚くしかない。
以前、ロープウェイに乗った際、大柄の知人(男性)二人が順番に片手でバラストを持ち上げようとし、「重いこれは30kgは有る」と言って上まで持ち上げなかった。実際は20kgだったがそんなもんだ。私はたまたま運動をしているのでひょいと持ち上がった。
近くで見ていた男性が非常スイッチを押し、物凄い音でブレーキがかかったものの間に合わなかった。手前にカーブが有ったので、運転手も見えなかったんだ。色々不幸が重なった。
こういう状況を知ると、いつも自分だったらどうするか考える。私は小心で臆病だから、まず自分の安全が確保できるかを判断するだろう。間に合わないと見ると気の毒だが見捨てるしかない。冷静だったら、非常ボタンを押したかもしれない。しかし、これじゃ助からない。
テレビでは遮断機が下りてから35秒有ったと報道している。この35秒に引っかかってブログを書いている。本当に35秒の余裕が有れば普通の男性なら可能性は有る。一番効果的なのは走って行き、上から抱き付き、走った勢いを生かしてそのまま転がることだろう。
それじゃお前ならできたかと聞かれれば、いや、出来なかったと答えます。実際は体が硬直して口で言うほど簡単じゃない。村田奈津恵さんの勇気に敬意を表するものでもあります。普通の人が出来る事ではありません。