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小泉元首相は目立ちたいのか?影響力を保持したいのか?原発廃止発言

2013年10月30日 21時48分17秒 | 社会・経済

 小泉元首相は引退前に圧倒的な強さで選挙を勝ち続けた。後継ぎだった安倍首相が高支持率を維持する中、「原発廃止」を打ち出したものだから再び、マスコミの表舞台に登場することになった。みんなの党や社民党が歩み寄る。

 かつて、小泉元首相は劣勢の中でも流れを読み、一世一代の博打を打って場面をひっくり返す達人だった。少数派閥で冷や飯を食らい続け、何度も敗北しながら獲得した彼一流の特技かもしれない。原発がどうなろうがどちらでも良かったに違いない。

 ドイツ、フィンランドの放射能処理などを視察した際、「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」と語っている。

 勝負師の見方だ。もし、小泉氏が信念を持って原発反対を叫ぶのであれば、これほどクールに情勢を分析しないし、できない。自民党は原発推進一色だが、国民感情や客観的情勢が不利と見て、またもひっくり返す醍醐味と確かな手ごたえに、内心打ち震えているのか。

 ただ、小泉氏が知ってか知らずか、気付かなかったのか、日本の原発建設はアメリカの戦略の一つだったので、話は単純には進まない。日本の核武装は、アメリカが中国を脅し、有利に外交を進める重要カードだ。

 原発の使用済燃料のプルトニウム239で原子爆弾を製造することが出来る。現在日本は44.3トンのプルトニウムを貯蔵し、長崎型原子爆弾を7,000発程度が製造可能とされている。

 CIAの包括的なネットで管理され、CIAへの協力の代わりに既得権を享受しているている官僚組織は原発推進で固まっていると見ていい。従って、民主党をはじめ、官僚組織に担がれた政権は原発の旗を振った。

 福島原発で被爆した人々、事故前後の東京電力のお粗末な取り組み、核廃棄物の貯蔵が10万年に及ぶことなどを考えると国民が原発は廃止すべきとするのは当然のことと思う。然し、今原発を全て廃止したところで、状況が画期的に改善されるわけではない。

 廃棄物貯蔵はいずれの場合も必要であり、もし、稼働可能な原子炉までも解体すると日本は深刻な経済的ダメージを受ける。むしろ、安全を確保する積極的な見直し、安全性の慎重な審査で、安全性が確認された原発は再稼働すべきであろう。

 問題は電力会社の、社内で原子力安全性の議論さえ許さない硬直性と安全性の取り組みへの消極的性、事実を判断・究明する機能を持たないため「嘘、出鱈目、いかさま」がまかり通ってしまう体質だろう。総括原価方式という放漫経営維持方式も少なからず影響している。

 電力会社には真面目で優秀な人が多い。経営者も全員がおかしい訳ではない。しかし、透明で公正で正しい判断が保証されていない。例えば、電力会社では人事部の力が著しく弱く、自民党国会議員やそれに連なる役員の介入が人事に与える影響は極めて大きい。まともじゃない。

 社外取締役制度を早急に導入し、経営の透明性、健全さ、公平さを担保し、まずは原子力の安全性を確保して、安全審査に耐えた原発を稼働すべきだ。そこで得た利益で、廃炉解体技術開発や廃炉の推進、安全な廃棄物貯蔵設備建設などを推進すべきだ。

 小泉元首相も原発を推進した日本のリーダーだから、美味しいところをすくって、自らの存在を確立、あるいは誇示して混乱や摩擦を増幅させるのではなく、地道に、将来へ向けた確かな解決への道筋を模索すべきだろう。

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