ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

これが、花?~発見、コシノカンアオイ~

2010-05-24 17:56:52 | 草木花
新潟県は、縦に長い。
ずうっと、200km以上乗っても、まだ新潟県。
高速道1000円の恩恵を受けながら、長野県に近い、妙高市へ。
妙高高原・笹ヶ峰の夢見平遊歩道を歩いてきた。

今年は雪が多かったから、まだあちらこちらに残雪があった。
時にはその上や柔らかいぐちゃぐちゃの道を、ズボンのすそを泥で汚しながら歩いて回ってきた。
しかし、春の花をたくさんながめられ、気分がいい。
カタクリ、キクザキイチゲ、エンレイソウ、エゾエンゴサク、ニリンソウなどが咲き乱れる歩道の中、一番のメインはミズバショウ。
コースの中間地点「夢見平」では、池となった湿原にミズバショウが満開。
新緑の木々や妙高山を背景に心地よいビュー・ポイントになっていた。
まさしく「夢見平」というところだ。
続く「しょうぶ池」は、ミズバショウばかりではなく、リュウキンカが黄色く輝いて咲いていた。
緑色の葉、輝く花。
リュウキンカは、まぶしく美しかった。
ミズバショウの白、リュウキンカの黄色は、すばらしいコラボだった。

しょうぶ池を離れ、カラマツの林に入った。
とたんにつまらなくなった。
あまり花は見られない。
足早に歩いて通り過ぎていこうとしたところ、妻が声を上げた。
「これ、コシノカンアオイじゃない!?」
足元は、カラマツの落葉で敷き詰められていた。
どこに花がある?
葉はある。
スペードのような形をした葉。
なんとなくカタクリに似た模様の葉が。
葉柄が長く伸び、その先、葉の先には何もない。
逆に葉柄の元をたどっていくと、地面からじかに生えているのが分かる。
そこで気付いた。
あった!
これが、花か?
濃い紫色の小さな瓶のような形をしたものが、葉柄の元にくっついて埋まっている。
その瓶の上部は、3枚の花弁に見えなくもない。
そしてその内部には、ザゼンソウの内部のように柱頭がある。
花なのに、花弁部分が分厚く、硬い。
親指の第一関節くらいの大きさでしかない。
目立たぬように咲いているせいか、辺りには結構あるのに、気付かない人が何人も踏み付けて行ったようだ。
何も見えない地面に向かって、あまりにも熱心にわれわれ夫婦が写真を撮っているので、「何かあるのですか。」と、通りがかりの年輩のグループが聞いてきた。
その一団のメンバーも、一様に驚いていた。
「これが、花?」
「うわあ~、知らなかった。」
「珍しいもの、見た。」
こうして、落葉の腐ったような色に似せながら、目立たず咲いているコシノカンアオイ。
踏まれても平気なように、その身を地中に隠しながら咲くコシノカンアオイ。
初めて実物をこの目で見たが、美しくなくともそのたくましさは、強烈な印象となった。
コメント
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