ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

今年も中学校の卒業式を見て、泣いてしまった…

2014-03-07 22:07:18 | 「育」業
今年も、中学校の卒業式に行ってきた。
去年は、卒業する生徒たちの立派な姿に、思わず涙を流してしまった。
今年は泣くことなどないだろうと思いつつ…。

去年の場合は、歩くことに不自由を感じる生徒を待ってあげたり助けてあげたりする姿が見られた。
その姿が、あまりにも自然だったのだ。
同じ仲間として寄り添う思い、「一緒に卒業しよう」という思いを、どの生徒からも感じることができた。
そのあとは、卒業式後、卒業生の合唱で、泣かされた。
「旅立ちの日に…」を歌う卒業生たちは、万感胸に迫ったのだろう、歌い進むうちに、涙をボロボロ流す子が多くなった。
でも、歌声は、しっかり出ていた。
涙が出ると、歌えなくなるものだ。
それなのに、生徒たちは涙を流しながら、しっかり声を出そうとするのだ。
それだけでもすごいことだ。ジーンとしてきた。
そして、2番を歌い終えて間奏になったとたんに、泣いていた生徒たちが全員、袖で涙をぬぐって、一気にはなをすすった。
涙をふき、はなを抑え、最後の盛り上がりの部分をしっかり歌い切ろうとしているのだ。
その姿に、もう私は出てくる自分の涙を止めることができなかった。
すばらしい卒業合唱だった。

あれから1年。今年の中学校の卒業式でも涙をおさえられなかった。
今年は、卒業生代表の答辞で泣けた。
代表の子は生徒会長も務めた彼女だけに、内容もすごくしっかりしていた。
話す前から感情が高ぶっていて、何度も涙声になりそうだった。
でも、彼女は泣かない。
泣き出したい気持ちを必死におさえ、答辞の言葉を一つ一つ感情をこめて話していった。
突然、彼女が、体の向きを職員席に向け、頭を下げた。
「用務員の○○さん。いつも私たちのだめに見えないところで仕事をしてくださってありがとうございました。おかげで、でこぼこのグラウンドが、部活に出る頃にはいつもきれいに整備されていました。各教室のストーブに灯油を入れてくださったおかげで、私たちは気持ちよく授業を受けることができました…。」
(少々違うかもしれないが、概してこんな内容だった。)
こんなふうに、調理員さん、事務員さんたちにも名前を言いながら呼びかけ、お世話になったことを具体的に話し、介助員さん・先生方、地域の方々、保護者の皆さん、在校生、同級生…それぞれには話のたびごとに頭を下げ、感謝の心を込めて話を進めていった。
彼女の話に、会場の全員が引き込まれていきた。
私の近くに去年小学校を卒業した、顔を知っている1年生たちが並んでいた。
Aさん、Bさん、Cさん…たちの顔も、涙でぐしゃぐしゃだった。
大きな感動をもって、答辞は終わった。
やがて、卒業証書授与式は終わった。
ステージを整備して、次は、全校生徒の合唱「旅立ちの日に」、そして卒業生の卒業合唱「桜ノ雨」だった。
先ほど、涙をこらえながらすばらしい答辞を行った彼女は、今度は、微笑みを浮かべながら歌っていた。
歌が進むにつれ、卒業生たちには涙を流しながら歌う生徒が多くなった。
それも、男女を問わず、何人も。
感涙にむせびながら卒業していけるというのは、なんとすばらしいことだろう。
充実した中学校生活なしには、この涙は流せないことだろう。
去年の卒業生と同様に、今年の卒業生たちも、泣きながら懸命に最後の歌を歌い続けるのだった。
もう、この姿は、伝統と言ってもいい。
すごい。
やがて、合唱が終わり、涙を流した卒業生たちは、少し照れたように笑いながらあるいは涙をふきながら、満足そうに式場を退場していった。

去年も今年も、このように感激する中学校の卒業式を見せていただくと、義務教育の終了を、この地区の子どもたちがとても幸せな思いで迎えていることを、心からうれしく感じる。
小学校生活を終えた子どもたちが、その3年後にこのような姿で卒業している。
そのことを考えると、同じ仕事をなりわいとしている者として、中学校の先生・職員の方々に、深い感謝の気持ちを表したくなるのだ。


中学校3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!
そして、中学校の職員の皆様、本当にありがとうございました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする