娘は、だいぶ足腰もしっかりしてきている。
とは言っても、おぼつかないことは変わりないのだけれど。
それでも、ふらつきが少なくなってきているので、自分が運びたいと思った時には、食べ終わった後の皿や茶わんを片付けさせるようにしている。
もともとは、結構手先が器用だった娘だ。
本当は、いろいろなことをしたいはずなのだ。
でも、両手に物をもつと、バランスを狂わしてふらつくこともあり、危ないことがある。
だから、様子を見ながら、娘にものごとをさせている。
今日は、比較的状態がよく、夕食のシチューづくりでニンジンやジャガイモなどの皮むきや、使った食器洗いなどを手伝わせたのだと、妻は言っていた。
夕食後、息子が近くにあった菓子箱から、菓子を取り出し、食べ始めた。
「それ、いいなあ。私の分も残しておいて。」
と、娘は言った。
それに対し、息子は言った。
「ねえちゃん。この菓子昨日食べてるよ。」
「うそー。」
「前の日の記録、見てごらん。」
すると、昨日の記録(前回参照)のおやつの欄に、「シュガーバターサンド」と、娘の字でちゃんと書いてあった。
息子は、さらに言った。
「その前にも食べているよ。見てみなよ。」
娘が、さらに3日前の記録を見ると、そこにも、「シュガーバターサンド」の文字はあった。
娘の顔が、急にゆがんだ。
眉を寄せ、目から涙があふれ出た。
悔しいのだ。
弟から否定されたことではなく、自分が食べた物を、食べたことをまったく覚えていなかったことが。
自分では、絶対に食べたことがない、と思ったものを、実は最近2回も食べていたということが、自分でも信じられなかったことだろう。
そのくらい簡単なことが覚えていられないのか、自分は。
そう思った時に、娘は切なくなったのだ。
切ない涙だったと思う。
でも、そのようなことを考えて、悔しさに涙を流している娘の姿が、私にはうれしかった。
ふがいない自分に涙するということは、もっと自分はできると思っているということだ。
その悔し涙が、次の自分を作っていってくれることを期待したい。
とは言っても、おぼつかないことは変わりないのだけれど。
それでも、ふらつきが少なくなってきているので、自分が運びたいと思った時には、食べ終わった後の皿や茶わんを片付けさせるようにしている。
もともとは、結構手先が器用だった娘だ。
本当は、いろいろなことをしたいはずなのだ。
でも、両手に物をもつと、バランスを狂わしてふらつくこともあり、危ないことがある。
だから、様子を見ながら、娘にものごとをさせている。
今日は、比較的状態がよく、夕食のシチューづくりでニンジンやジャガイモなどの皮むきや、使った食器洗いなどを手伝わせたのだと、妻は言っていた。
夕食後、息子が近くにあった菓子箱から、菓子を取り出し、食べ始めた。
「それ、いいなあ。私の分も残しておいて。」
と、娘は言った。
それに対し、息子は言った。
「ねえちゃん。この菓子昨日食べてるよ。」
「うそー。」
「前の日の記録、見てごらん。」
すると、昨日の記録(前回参照)のおやつの欄に、「シュガーバターサンド」と、娘の字でちゃんと書いてあった。
息子は、さらに言った。
「その前にも食べているよ。見てみなよ。」
娘が、さらに3日前の記録を見ると、そこにも、「シュガーバターサンド」の文字はあった。
娘の顔が、急にゆがんだ。
眉を寄せ、目から涙があふれ出た。
悔しいのだ。
弟から否定されたことではなく、自分が食べた物を、食べたことをまったく覚えていなかったことが。
自分では、絶対に食べたことがない、と思ったものを、実は最近2回も食べていたということが、自分でも信じられなかったことだろう。
そのくらい簡単なことが覚えていられないのか、自分は。
そう思った時に、娘は切なくなったのだ。
切ない涙だったと思う。
でも、そのようなことを考えて、悔しさに涙を流している娘の姿が、私にはうれしかった。
ふがいない自分に涙するということは、もっと自分はできると思っているということだ。
その悔し涙が、次の自分を作っていってくれることを期待したい。