第26回 篤太夫、再会する
そろそろ篤太夫が血洗島に帰ってくるはずですね
桑畑を、荒っぽくかき分けかき分けているのが不自然です
いったい何をしているのかと思いました
ふと視線を先の方にやると
村のシンボルツリーであるあの大きな樹の下に長七郎が居て
話しかけてきた
心を病んでいた長七郎でなく以前の快活な長七郎だった
洋行から帰って来て、仲間の動向をあちこちから聞いた篤太夫は
まるで、浦島太郎のような気持になっていたのでしょうか
長七郎が言った
「悲憤慷慨していた世は崩れたぞ
崩しっぱなしでどうする
この先がお前の励み時だぜ」
場面が変わって、一面菜の花畑で
父の市郎右衛門と娘のうたらしき女の子が自分を呼んでいる
妻の千代も立っている
迎えに出ていたのだ
渋沢家の皆とは、かれこれ6年?
会ってなかったのですよね
赤ちゃんだったうたも、利発そうな少女に育ちました
初めて会う父に、たじろぎながらも
すぐに打ち解けてくれて、よかったですね篤太夫殿
親戚の方々も、篤太夫の帰還を祝おうと集まってくれました
そんな中で、妹のていは平九郎の亡くなったことで
「兄さんが平九郎を見立て養子になんかしなければ
今までのように村で暮らしていた」
と怒りをぶっつけたが
父がそれは栄一もよく分ってると、ていをなだめてくれた
篤太夫は、皆にせがまれるまま、パリなどでのことを
面白おかしく披露した
この頃には、ていちゃんの笑顔もみれましたね、よかった♪
お祝いの席も終え、落ち着くと
妻の千代は、弟の平九郎の死んだのは自分のせいだと
泣きながら栄一に言った
すると、違う俺のせいだと栄一も心の内を話した
平九郎のお墓は、あの大きな樹の根元に立っていた
栄一と千代はお参りをした
嬉しい時も悲しい時も、この樹に話していたのでしょうね
この樹なんの木?
ロケ地深谷の田園地帯にほんとにある樹なのでしょうね?
見事な樹 何年生き続けてるんだろう
一度は、この樹に触れてみたいなあ~
まだ、戦は続いていた
成一郎の妻よしも不安な毎日を送っているはず
成一郎は箱館の五稜郭で土方歳三らと共に戦っていることを
よしに伝えた
夫が戦に行っている妻や、息子の両親は皆
もう生きてはかえって来ないだろうと覚悟をしている
第二次世界大戦の時も同じですね
未だに生死さえ分からず待っている方も…
過去の話ではない
栄一は惇忠の家に挨拶に行った
何故か顔を背け立ち去ろうとする惇忠に篤太夫は困惑したが
惇忠は、自分だけがおめおめと生きて帰って来たことで
皆に会わす顔がないと苦しんでいたのだ
『 生き残った者には成すべき定めがある 』
樹の下で長七郎の言った同じことを、栄一は惇忠に言った
栄一は、パリで分かったという
『 銃や剣を手に、戦をするのじゃない
畑を耕し、藍を売り、皆で働いて励むのが俺の戦い方だった
この恥を胸に刻み、今一度、前に進みたい
生きてる限り! 』
『悲憤慷慨していた世は崩れたぞ
崩しっぱなしでどうする
この先が、お前の励み時だぜ!』
樹の下の出来事は、どうやら夢だったようですね
長七郎の言ったことは、今、栄一が考えていること
夢ってそういうもんなんでしょうね😴
栄一の心は整理がついたようです
「 箱館の軍に加わる気はない
フランスでの知識を持って新政府で働くことも
勧められたが断った
駿府で謹慎の先の上様に挨拶をしてから
自身の道を決める 」
それを聞き、栄一の父、市郎右衛門は喜んだ
「 道理を踏み外さず、誠を貫いてくれた
おかげで、お前の父親だと胸を張って言える 」
栄一は父に借りた百両があった
それを返すというか、おみやげというか
父に差し出した
すると父は、それを右から左へ!
千代に、6年間よくやってくれたお礼にとすべて渡した
母は、
「淋しかったんベ
不服も言わねえで、よく耐えてくれたねえ」
両親は、そうすることで、栄一の留守の間の千代のすべてを
栄一に報告しました
千代さん、ええ人♪
ご両親もええ人♪
篤太夫殿、奥様と離れたままの6年間
お分かりいただけましたでしょうか
今度こそと言った約束、守れますように
さてさて~、慶喜との再会は
水戸で謹慎をしていた慶喜ですが
静岡が徳川宗家の領地となったことで宝台院に移りますが
謹慎は続いています
かつての幕臣たちも、移ってきていました
篤太夫は、宝台院に慶喜を訪ねます
篤太夫の目には今までと比べ、何と質素な住まいと心が痛みました
現われた慶喜の着物も地味なものです
まず篤太夫は、なぜこのようなことになってしまわれたか…
と、その問いに、慶喜は
過ぎ去ったことだ
昭武のパリでの様子が聞けるから出向いた、と
維新のことは、避けました
慶喜は言いたくないことが沢山あったのですね
篤太夫は気持ちを切り替え、パリなどでの
昭武の様子を身振り手振りも可笑しく話し始めました
慶喜は、昭武の様子を想像し嬉しかったようで
柔らかい笑みが何度もこぼれていましたね
慶喜は
「渋沢よ、万里の異国にあって、さぞ狂おしく骨を折った事であろう
この度、昭武が障りなく帰国できたのも
ひとえにそなたのおかげだ、礼を申す」
丁寧にお辞儀をし、慶喜は部屋を出た
篤太夫は
「上様、何も申し上げますまい
しかし、どんなにご無念だったことでございましょう」
立ち止まり聞いていた慶喜ですが、無言で行ってしまいました
慶喜は、大政奉還から明治維新、江戸へ逃げ帰った事、謹慎処分…
様々な気持ちを心の奥に詰め込んで、口外はしないと
決心したのでしょうね
<英雄たちの選択>の番組の中だったかなあ?
後に、慶喜は取り調べを受けた時、
確信を衝くような質問の時、
「忘れた」
を何度も言ったとか
決心の固い方です
昭武のサポート役に篤太夫を選び留学させたことは
慶喜にとって、ほっと笑みを浮かべ話せる僅かな事柄の
ひとつだったと思います
渋沢栄一にとっても、昭武にとってもいい旅でしたね
こんな機会を与えてくれた慶喜に、栄一はずっと
感謝の気持ちを持っていたことでしょうね
いよいよ、新しい時代の渋沢栄一の活躍ですね、楽しみです♪
新しい生き方には、どんな人たちが関わってくるのか
栄一は、何を考え何を選択するのか、
その懐の中に、分け入ってみようかしらん