路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【卓上四季】:惨事を記録する

2019-08-13 05:05:00 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍の功罪・東京大空襲他・犠牲者へ無補償

【卓上四季】:惨事を記録する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:惨事を記録する

 筆舌に尽くしがたい被害は、伝えられるまでに時間を要するのだろう。東日本大震災の夜、「壊滅した」とだけ報道された陸前高田市の状況が翌日まで分からなかったことを覚えている▼74年前のきょう、長崎に原爆が投下された。その惨状を最初に記録したのは東潤という人物である。爆心地に到着したのは翌日未明。「『悲劇の谷・浦上』の午前三時は、世紀の大暴風が去った三日月の下にひらく死の砂漠だった」と表現した▼東は軍の報道部員として福岡から現地調査に入った。朝を迎えて目にしたのは「この世の生地獄(いきじごく)」だった。穴から出てきて足に絡みつく黒い生き物とは、立ち尽くす女性が手に提げたバケツの中には何が―。あえてここでは語るまい▼8月10日の長崎を記述した全文が公表されたのは10年後だった。東が同人でもある雑誌「九州文学」に「原爆の長崎ルポルタアジユ 浦上壊滅の日」と題して掲載された。その直筆原稿がこのほど見つかり、西日本新聞が報じた▼雑誌記事には被爆地の生々しい写真もある。調査に同行したカメラマン山端庸介の撮影で、長崎原爆資料館に今も展示されている。奥野正太郎学芸員は「このルポなくして長崎の原爆の状況は語れない」と断じる▼被爆者が高齢化し、原爆の非人道性を世代を超えて継承することが重要になっている。客観的事実を伝えることがその一助になると信じている。2019・8・9

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年08月09日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:日韓対立激化 報復合戦に未来はない

2019-08-13 05:04:50 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説②】:日韓対立激化 報復合戦に未来はない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:日韓対立激化 報復合戦に未来はない 

 日韓の対立が泥沼化し、危機的な状況に陥りつつある。

 外交上の対抗措置や非難を重ねても、互いの未来が開けないのは過去の歴史から明らかだ。両政府は改めてその認識に立ち、対話の道に歩み出すべきである。

 安倍晋三政権は安全保障上問題がなければ輸出手続きを優遇する27カ国の「ホワイト国」から、韓国を除外する政令を公布した。

 除外は初めてで極めて異例だ。

 半導体材料に続く輸出管理強化策で、今回は食品や木材などを除く幅広い品目が対象となる。

 韓国政府は徴用工問題への対抗措置だと猛反発し、日本を輸出手続きの優遇対象国から外し、観光、食品、廃棄物の分野での規制も強化する方針を示している。

 「報復」による負の連鎖は避けなければならない。

 今回の対立には米国も懸念を示す。韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を示唆しているからだ。

 北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の軍事力増強は日米韓共通の脅威である。冷静さを欠く判断は、北朝鮮などを利するだけだろう。

 日本製品の不買運動が拡大するなど多方面に影響が出ているが、こういう時だからこそ、政府間の対立とは距離を置き、草の根交流などを続けることは大切である。

 問題なのは、両国の政治家が対立をあおるかのような発言をして、互いの政権の求心力に結びつけている面があることだ。

 特に文在寅(ムンジェイン)大統領の日本非難は激しい。ホワイト国から除外された後、徴用工問題を念頭に「加害者の日本が盗っ人たけだけしく、むしろ大声を上げるという状況は決して座視しない」と述べた。

 ナショナリズムを刺激する発言は事態を悪化させる。韓国側がまずすべきは、対立のきっかけとなった徴用工問題について、協議のテーブルに着くことだろう。

 一方、安倍首相は徴用工問題に関し「日韓請求権協定に違反する行為を韓国が一方的に行い、国交正常化の基盤となった国際条約を破っている」と批判している。

 協定は軍政下の合意で、補償が十分でないとの指摘が韓国国内にはある。被害者らの感情を刺激しないよう配慮すべきではないか。

 日韓間は年間1千万人が往来し貿易相手国としても互いに欠かせない。切っても切れない隣国同士が対立を続けるのは不毛だ。

 ホワイト国除外の政令は28日に施行される。溝がより深まる前に、打開策を探る必要がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:道議会の喫煙所

2019-08-13 05:04:45 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【卓上四季】:道議会の喫煙所

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:道議会の喫煙所

 きょうから立秋。暦の上では秋となり、道内では実際に暑さも和らぎそうだ。札幌では観測史上初めて3日連続の熱帯夜を記録するなど、猛暑にげんなりさせられた。その熱帯夜に負けず劣らずうっとうしく、不快指数を上げたのは、道議会新庁舎の喫煙所問題だろう▼最大会派の自民党・道民会議が、いまだに「造る、造らない」でもめている。今や喫煙、受動喫煙の健康被害は周知の事実だ。まして北海道は肺がん死亡率が全国で最も高い。道議は、公共機関での全面禁煙を主導する立場にある▼道議ともあろう人たちが、このぐらいの道理をわきまえぬほど、知性を欠くとは思いたくない。当然ながら、鈴木直道知事は「税金で造るのは無理」と通告した。一件落着と思いきや、往生際が悪い▼日本たばこ産業が喫煙所の寄贈を申し出ているというのである。議員たる者が、関連業界の支援を受けてまで、公共空間でたばこを吸いたいとは、どういう神経か。子ども顔負けのわがままをこれ以上通そうとするなら、子どもへの示しもつかない▼道医師会は「道議会の権威をおとしめる」と危惧し、長瀬清会長は「良識を持って判断してほしい」と求めた。こうした批判を振り切って設置すれば、愚行の記念碑として新庁舎の名物となろう▼道政には、重要課題が山積する。さっさと「全面禁煙」で決着させ、本来の仕事に取り組んでもらいたい。2019・8・8

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年08月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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