路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【主張①・01.16】:女子医大逮捕 解体的な出直しが必要だ

2025-01-16 05:03:50 | 【大学「国公立・私学・大学院・医学系・工学部系」、大学ファンド=優秀な研究成果】

【主張①・01.16】:女子医大逮捕 解体的な出直しが必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張①・01.16】:女子医大逮捕 解体的な出直しが必要だ 

  不明朗な資金流出疑惑で警視庁の捜査を受けていた東京女子医大の岩本絹子元理事長が逮捕された。容疑は1億円を超す背任だ。

  大学の校舎棟建設工事を巡り、嘱託職員とした建築士に、実態がないにもかかわらず、建築アドバイザー報酬名目で、給料とは別に約1億1700万円を不正に支払わせていた疑いが持たれている。

東京女子医大=13日午後、東京都新宿区

  問題は流出資金の使途だ。数千万円が岩本容疑者に還流した疑いがある。自宅など関係先から多額の現金や金品が発見されており、この出所や趣旨の解明も捜査の焦点となるだろう。

  昨年3月に捜索を受けた同大学から委嘱され、第三者委員会が8月に調査結果を報告した。そこには岩本体制の深刻な問題が指摘されていた。

  大学病院で医療事故が相次ぎ特定機能病院の承認が取り消された同大学は経営が悪化した。平成31年に理事長になった容疑者は人件費など経費を激しく削減し、一時的な黒字転換に成功したが、医療の質を顧みない削減は人材流出を招き、医療供給そのものが危機に陥った。

  その陰で容疑者は自分の報酬を上げ続け、第三者委は「金銭に対する強い執着心」「立場の弱い教職員を犠牲にした」と批判した。この延長線上で事件は起きたとみるべきだろう。

  疑惑について容疑者は学外に説明を一切しなかった。医大トップという公人の説明責任をどう考えているのか。極めて無責任だ。説明するよう促さなかった大学の責任も重い。

  同大学は解体的出直しが必要だ。なぜ容疑者の暴走を止められなかったか。第三者委報告と警察捜査を受け、自ら検証して経営態勢を見直し、組織統治を機能させなければならない。

  医療事故の反省から導入したものの、容疑者の誤った経営判断で停止した小児集中治療室をいかに再開させるか。脆弱(ぜいじゃく)化した医療供給体制をどう回復するか。問題は山積している。

  記者会見した同大学は、財務担当理事を置き、内部監査室を改革し、一連の問題に関係した職員への責任追及を行うなどの方針を明らかにした。施策を実効性あるものにするには進捗(しんちょく)を社会に公表する必要がある。

  この不祥事で最も被害を受けるのは患者だ。何のために同大学は存在するのか、根本的な認識から再生を図るべきだ。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2025年01月16日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【主張②・01.16】:尹大統領... | トップ | 【HUNTER・12.25】:【鹿児島... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【大学「国公立・私学・大学院・医学系・工学部系」、大学ファンド=優秀な研究成果】」カテゴリの最新記事