【金口木舌・12.25】:仕事の自負はまねできない
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.25】:仕事の自負はまねできない
年の瀬も押し迫り、忘年会など酒を飲む機会が増えてきた。そういう場は嫌いではないが、心配になることがある。帰りの“足”の確保だ
▼この前の飲み会の帰り。なかなかタクシーを拾えず、歩きながら拾おうと思い、10分、20分…。結局、40分歩き続け自宅に着いてしまった。アルコールの入った体には歩いた爽快感はなく、ただ疲れた
▼先日乗ったタクシーの運転手によると、知り合いの会社では保有する25台のうち、夜勤で稼働しているのは5台だけだという。彼いわく、「車が遊んでいる」
▼県内では石垣島や宮古島、本島で、一般の人が稼働していないタクシーなどを使って有料で人を運ぶ「日本版ライドシェア」が行われている。多良間村では公共交通としての自動運転カート導入に向けた実証実験が始まった
▼でも、何か物足りない。運転手不足の対応として有効かもしれないが、プロにはプロの仕事がある。これからは運転手のちょっとした気遣いを感じることも少なくなるだろう。車内での会話の機会も減るかもしれない。残したい、大切なものがある。敬意と感謝を忘れずにタクシーを利用したい。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月25日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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