愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

国民の教育権保障の義務放棄原点となる武雄市の花まる教育!その背後に憲法違反の安倍式教育再生思想アリ!

2014-04-18 | 時代錯誤の安倍式教育再生

子どもや保護者の願い、現場を無視した武雄市の暴挙に大喝!

昨日TBSの以下のニュースを視ていて驚きました!とうとうここまで来たか!という感慨と怒りと決意でした。と言っても、愛国者の邪論の条件からすれば、このブログで邪論を吐く程度しかできません。何とも、如何ともし難いところですが、何もしないよりは、と思い記事を書くことにしました。

まず結論です。

1.現在起こっている教育の問題を解決するために、現場の教師や保護者などの声に耳を傾けるのではなく、トップダウンで、ことを決めるという、およそ民主主義にとって必要不可欠の、最低の条件すら放棄した暴挙だということです。

(1)この動きは、現在国会で審議が始まった地方教育行政の組織及び運営に関する法律の「改正」という名の「改悪」と連動しているということです。

(2)戦後民主主義の原点である憲法と旧教育基本法、地方自治法を土台とする教育委員会制度を中央集権化してきた誤りとその破綻を、首長の権限強化、教育委員会制度の廃止などという反動的手法で再編しようとする動きと機を一にするものです。

NHK  首相 教育改革への意欲を強調 4月15日 17時11分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140415/t10013758861000.html

地方教育行政法改正」の問題点 - DCI日本支部

【衆院本会議】地方教育行政組織法改正で政府案、民主·維新案が審議入り 2014年04月15日

教育委「改革」 露骨な政治支配 - 日本共産党中央委員会 2014年2月20日

教育の独立性を破壊/教委「改革」法案を閣議決定 - 日本共産党中央委員会 2014年4月5日

教育委制度 教育への支配・介入許すのか/二つの流れ 対決鮮明/衆院本会議 [2014.4.16]

教育の自由・自主性を侵害 教委「改革」審議入り/衆院本会議 宮本議員質問 [2014.4.16]

政治の教育介入助長/教委改悪法案 宮本議員が批判/衆院文科委 [2014.4.17]

 

2.しかも、その内容は、「特定の」学習塾、花まる学習会 と提携するというのです。こうした手法が許されるならば、全国各地の自治体が、というよりも、首長が、それぞれ気のあった学習塾と提携した教育と行政を行っていくことになるのは明らかです。

(1)この動きの仕掛人高濱正伸氏、藤原和博氏の主張と実績をみると、この反動的動きは、いっそう明らかになります。

高濱正伸 (たかはままさのぶ) - 日本経営合理化協会

藤原和博の教育改革~目撃せよ!いま起こっている義務教育改革

ネットと反転授業で最高の授業 下村博文&高濱正伸&樋渡啓祐&藤原和博 2014年3月30日

藤原和博、陰山英男、NPO法人日本教育再興連盟/教育時報社edu-news.info【点と線】広がる教育ビジネスの輪 09.2.28 618号掲載

あの藤原和博氏が杉並·和田中で行った本当のこと~独断専行と公教育の破壊 2008年10月10日

(2)この花まる学習会方式が、子どもの人格形成にとってふさわしいものか、大いに疑問です。それは花まる学習会のビデオに写されている子どもの行動と表情に象徴的です。

「官民一体型小学校創設へ、塾のノウハウ導入」 News i - TBSの動画

「官民一体型が広まれば公教育をゆがめ、学力偏重に陥る危険性がある」と指摘します。「学力に関わる物差しが、塾が入ることで突出する。多様な価値や個性を認める物差しが必要なのに、全体のバランスを崩して、教育の総合性や成長や学びの総合性をゆがめていくことになる。成果主義的傾向が強まる」という共栄大学藤田英典教授・日本教育学会の藤田英典会長の指摘です。

(3)愛国者の邪論が想像したのは、戦前の子どもの表情(『写真集子どもたちの昭和史』(大月書店84年6月)、『小学生新聞に見る戦時下の子供たち』(日本図書館センター91年3月)、あの先軍教育を受けている時の北朝鮮の子どもの表情やマスゲームの際の表情(これは創価学会も同じです)や中国の愛国主義教育を受けている時の子どもの表情とも重なります。

(4)もう一つは、場所を憚ることなく大声をあげ、走り回る子どもの喧騒ぶりと重なりました。学校が公的に喧騒を演出しているのです。

3.しかも、それは「自由化」というものではなく、「新自由」主義という仮面をかぶった、破綻ずみの競争主義を更に持ち込むことは明らかです。

(1)小さな政府づくりと教育の民営化の動きです。

(2)受験一辺倒による偏差値輪切り競争主義の横行による学校の荒廃放置から生じた学校不信感とその裏返しとしての予備校や塾の喧伝、保護者を収奪する受験産業の全盛による「教育費の負担過重」が、今回の土壌づくりに貢献してきたという構図が見えてきます。

4.武雄市の趣旨説明を見れば、花まる学習塾などを使わずとも、現場の工夫や行政の財政支援でできることばかりですが、この間の「失敗」を、反動的思惑からスリカエて再再編成しようとする意図が透けて見えてきます。

(1)公立学校と民間学習塾による「官民一体型学校」の創設について  武雄市

本日(平成26年4月17日)、文部科学省記者会見室において、本市における公立学校と民間学習塾による「官民一体型」の小学校を来年4月に創設する旨の記者発表を行いました。これからは、知識重視の一方通行の教育から、自分の頭で考え、未来を切り拓いていく教育、すなわち「メシが食える大人に育てる」教育への転換が求められています。そのため、武雄市では、数多くの実績を持つ学習塾「花まる学習会」と連携し、官と民の垣根を取り払い、官民が一緒になって生徒の生き抜く力を育む新しい教育を行う「官民一体型」の小学校を創設します。武雄市の新たな公教育改革の取り組みに、ぜひご期待ください。なお、本日の記者発表資料については下記をご覧ください。

平成26年4月17日記者会見資料(その1)

平成26年4月17日記者会見資料(その2)

平成26年4月17日記者会見資料(その3)引用ここまで

(2)「知識重視の一方通行の教育から、自分の頭で考え、未来を切り拓いていく教育」をサボってきたのは、誰か、全く免罪主義、スリカエです。現場が悪かったというのでしょうか。それほど文科省や各県教育委員会、市町村教育委員会は、現場を尊重してきたでしょうか。上意下達主義の典型は、「日の丸」「君が代」の強制と中教審路線の徹底が示しているではありませんか。

(3)「メシが食える大人に育てる」というコピーもスリカエです。「メシを食わせる」責任は教育ではなく、政治の責任です。それを放棄させ、免罪させるものです。これは国民の貧困につけこんだあくどい詐欺です。生活が苦しいから、子どもだけには苦労させたくないという親心をくすぐりながら、その親から膨大な教育費を収奪する構図をつくり出すのです。公教育費の削減の口実づくりです。国際社会において、公教育費の後進性を覆い隠す極めて悪質・姑息な手法です。

独り61-教育格差と国際比較 2007年3月19日

教育予算の貧困 正当化/財務省、国際比較の偽り - 2008年5月26日(月)

たんぽぽ: 日本の異常 大学の教育費·奨学金 2013年4月13日

日本の教育費は、公的支出が最低で私費負担が高すぎる - 杉並からの情報発信です 2008年2月4日

(4)こうした貧困に陥れた政策は、日本経団連 経労委報告 であり、それに対応して打ち出されたものが中央教育審議会生きる力だったのです。この破綻が、年を追うごとに目に見えてきたのですが、それを反動的再編しようとしたのが、第一次安倍政権でした。

それは、1995年に出された日経連の「新日本的経営路線」の徹底化が、今日の非正規雇用化を創出し、円高対策としての企業の海外移転化や、財政危機を口実として公務員賃金の削減が民間賃金を抑制させ、さらにそれが公務員賃金を抑制させるという悪魔のデフレサイクルをつくり出して国民にメシを食わせない、貧困をつくり出してきたことを免罪するものです。それが、今破綻していることについては説明は不必要です。

同時に、「生きる力」「ゆとり」などの破綻と、憲法平和主義の重要性が日に日に高まってくるなかで、憲法も、平和も、暮らしも、教育も、一気に反動的に再編成、戦後レジームの大改悪を狙ったのが安倍政権なのです。こうした潮流の中で、今回の政策が出されたのです。

全道庁労連:NO91 雇用を破壊した「新時代の『日本的経営』」論  2012年8月28日

主張/賃上げ目標/「強い経済」をつくる真の方向 - 日本共産党中央委員会  2013年3月5日

重すぎる子育ての経済的負担 - 日本共産党中央委員会

主張/高すぎる学費/家計負担軽減へ対策を急げ - 日本共産党中央委員会 2007年3月24日

国民の立場で大学改革を 日本共産党中央委員会 2002年4月20日

(5)しかし、そもそも、こどもの教育は「メシが食える大人に育てる」という狭いものではありません。それは第一次安倍政権で教育基本法(旧) を改悪して制定した教育基本法でさえも言っていないことです。そういう意味で、武雄市や、仕掛け人たちの主張は、子どもの人格形成などという問題意識は全く持っていないことが判ります。その点では安倍政権の国家政策と同じ延長線上にあります。

戦後民主主義教育と民主的制度を覆すクーデター的暴挙!

どうでしょうか。国会の議論は、安倍政権の改悪案と民主・維新の改悪案、そして共産党の論戦という構図ですが、マスコミは、共産党の発言・追及は一切黙殺しています。

ここに安倍政権の応援団ぶりは、いっそう浮き彫りになるところです。それにしても、戦後民主主義の制度が、形骸化され、そのことによって子どもの教育が破壊され、その都度スリカエて打ち出されてきた教育政策が、その都度破綻してきたにもかかわず、そのことの総括はいっさいなされないまま、現場の教師の責任に転嫁されながら、制度として残った教育委員会制度を抹殺していこうとする政策に、安倍政権の応援団が、束になってかかってきたというのが、今回の国会の構図と言えます。

安倍政権が執拗に、この制度改悪に拘るのは、「はだしのゲン」の図書隠蔽を撤去させた松江市教育委員会、反動的教科書の不使用を決めた竹富町教育委員会、文部科学省の定数削減政策に反対して少人数学級を実現してきた各地の教育委員会など、現行の制度が邪魔なのです。

ここに、今回の武雄市の政策が呼び水としての役割を持っているのです。このことは文部科学省で記者会見をしたことに象徴されています。国家的プロジェクトなのです。ということは、文部科学省という国家そのものが、この間の文部行政を自己否定したという、まさに暴挙、クーデターと言えるのです。

本来であれば、現場の教師や保護者、教育委員会で働く教育公務員、大学の研究者などが、挙ってストライキを打つような性格を持った反動的政策が、国会で、武雄市で断行されているのです!


国のために殉じた英霊に祈りをささげるのは指導者としての責務の大ウソは戦争責任免罪論!産経に大喝!

2014-04-18 | 靖国神社

昨日の産経の大ウソのつづきです。以下も産経抄をご覧ください。

「日の丸」礼拝・「君が代」斉唱拒否は「不当」とする産経の暴論について

まず、産経の敵視する中国と北朝鮮国内で、国旗に礼拝しない、国歌を斉唱しない国民を弾圧したら、中国政府や北朝鮮政府を応援するだろうか、という問題設定で十分でしょう。全く身勝手な産経と言えます。

以下の記事を書きましたのご覧ください。

「強制·義務化しない」と言って国旗国歌法を正当化した自民党政権のウソ  2013年7月1日

 靖国の「英霊」参拝思想は「英霊」の冒涜!不道徳の極地!

産経のデタラメを検証しておく必要があると思います。以下の記事を書きましたのご覧ください。

身勝手な英霊尊崇心は戦死者·虐殺された民衆を冒涜するもの!最悪  2013年12月26日

 

強制しなければならない国旗・国歌は、オレオレ詐欺!

本来国歌・国旗などというものは国民の自発的なものであって、強制すべきものではありません。強制しなければ成り立たないところに、権力者の大ウソ・ゴマカシが浮き彫りになります。産経は、この大ウソのプロパガンダ、装置です。憲法違反、歴史偽造・偽装の、オレオレ詐欺と同じです。

 

安倍首相の靖国参拝を公約とする産経の大ウソ!公約は憲法遵守!

そもそも「公約を守った首相を評価すれば、赤点をつけられそうだ」という大ウソです。安倍首相が守らねばならぬ「公約」とは何か!産経は判っていないというか、スリカエるというか、憲法平和主義を敵視しているので、眼中にないというか、国民に大ウソをつくのです。

ポツダム宣言を受諾した日本は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」として制定した日本国憲法前文の理念、これは「国際公約」でした。その「国際公約」などはすっかり無視をする身勝手さは、国際社会からみれば、不道徳極まりないものです。

では、まず本文をお読みください。

産経抄] 君が代を歌わない社会科教師 4月17日 2014.4.17 03:20 (1/2ページ)http://sankei.jp.msn.com/life/news/140417/edc14041703200001-n1.htm

作家や大学教授の書いた文章が大学入試に使われると、試験後に問題用紙が送られてくる。試しに解いてみると、正解には至らない。「まさに著者失格です」などと自嘲するエッセーに、時々お目にかかる。

▼東京都八王子市の都立高校で行われた、3年生の「政治・経済」の期末試験に記事が採用された毎日新聞の記者には、そんな心配は無用である。記事は、昨年12月26日の安倍晋三首相による靖国神社参拝を伝え、政治部長が批判的な解説を加えたものだ。

▼設問には、中国と韓国からの厳しい批判と、アメリカが出した「失望」のコメントが紹介されている。これについて説明するとともに、「自分の思うことを自由に書きなさい」というのだ。出題者の50代の男性教諭は、「君が代を歌う社会科教師は少ない」と公言しているそうだ。その政治的主張を忖度(そんたく)しながら、靖国参拝を批判すれば、毎日新聞の論調通りの正解文となるわけだ。

国のために殉じた英霊に祈りをささげるのは指導者としての責務である。「自由」の言葉を信じて、こんな正論を吐き、公約を守った首相を評価すれば、赤点をつけられそうだ。まして、参拝しなくても中韓の反日姿勢は変わらず、アメリカのコメントには、むしろ国民の多くが失望したと指摘すれば、大目玉を食うかもしれない。

▼校長の言い訳には、もっと驚いた。たまたま学校で購読していた新聞の記事が批判的な報道だっただけで、「参拝の是非を問うものではない」というのだ。「政治・経済」の目的のひとつは、新聞報道に批判的な目を養うことではないのか。

▼今年度からぜひ、産経新聞の購読もお勧めしたい。授業で読み比べて、靖国参拝の是非についても、大いに議論してもらいたい。(引用ここまで

産経・安倍首相派の偽装「英霊」論の大ウソはこれだ!

「英霊」を冒涜するな!

1.「英霊」は強制的に徴兵された兵士だったこと。

2.「英霊」は、千人針など厭戦感情を抱いていたこと。

3.「英霊」の中には、徴兵忌避者もいたこと。反戦兵士もいたこと。

4.「英霊」となった皇軍兵士の大半は、餓死だったこと。

5.「英霊」の遺骨は、未だ放置されていること。

6.「英霊」は、「教育勅語」「軍人勅諭」「戦陣訓」によって、「死」を強制されたこと。

7.「英霊」が、アジアで残虐な行為を行ったこと。戦争犯罪者であったこと。

8.「英霊」の中には、植民地の民衆もいたこと。

9.「英霊」の中には、ABC級戦争犯罪人もいること。

10.「英霊」の中には、皇軍兵士以外の戦争被害者は存在していないこと

 

上記の特徴を示す資料を掲載しておきます。

1.兵役は、大日本帝国憲法の臣民の「義務」だった!「権利」ではなかった!「自存自衛」の戦争であったら、臣民は率先して義勇精神を発揮したはず!

2.国民の中には「戦争に取られた」感情が根強くあった。

3.出征兵士を送る際の儀式、とりわけ神宮外苑の学徒出陣式も女学生を参加させるなど、姑息な演出があった。

4.三坂神社

当社は日清・日露戦争の際、当社に武運長久を祈願した人が全員無事に帰還したことが報道され、「弾除けの神」として有名になり、第二次世界大戦がはじまると、武運長久祈願のための参拝者が増え、一日800数人もあった。終戦と同時に参拝者名簿は焼却され、奉納写真の大部分は送り返されたが、1万点余りがまだいまだに当社に保管されている。(引用ここまで

5.反戦思想と徴兵忌避思想の系譜

…このように陸軍当局が、徴兵令(一九二七年から兵役法)改正によって、外国留学の者、在学中の者に対する規制をしだいに強めていったために、徴兵忌避者およびその疑いのある者の数は、一九一二(大正元)年で四〇四七名を数えていたが、一九三二(昭和七)年には四五九名に激減している。忌避の場面が、逃亡か徴兵検査上での詐病に限られていく。時代が到来したということである。個人の英雄的な奮闘以外のところで、国家と個人の間の緊張を、説得力ある言葉でもってひろく支えるに足る反戦思想は、水野や吉野の後には見いだすことができない。(引用ここまで

6.さちえの伊豆温泉情報:竜爪神社 (伊東市 城山) - ライブドアブログ 2013年8月3日

7.三重県戦争資料館/出征・軍隊・戦地 にみる「皇軍兵士」の体験談、これは生き残った人の声です。これらの人々の声の奥深いところにある、生き残れなかった人々の声、戦争に対する感情と思想を「英霊」と一括りして美化するところに、身勝手な不道徳さがいっそう浮き彫りになります。

8.南洋・海軍軍属の連行

9.追悼·三國連太郎さん:徴兵忌避の信念を貫いた/毎日新聞(1999年8月  2013年4月17日

10.徴兵忌避三國連太郎さんの思いを正確に伝えないマスコミに大喝  2013年4月16日

11.太平洋戦争戦跡地-戦没者の60%強140万人は餓死であった - Biglobe

12.「英霊」は餓死、自殺攻撃をさせられた--装置「靖国」賛美の違和 - アゴラ 2013年12月29日

13.「日本人」戦犯として裁かれ、処刑された朝鮮人 - [PDF]14.

15.朝鮮人皇軍兵士 遥かなる祖国 - NHKオンライン  2010年3月27日

16.日本軍及び当時の政府が責任をとるのは当然だ~ジュネーブ協定を2007年6月12日

17.筋金入りの大東亜戦争正当化論者新藤総務相の身勝手無自覚靖国参拝 2014年1月3日

18.大東亜戦争期の日本陸軍における犯罪及び非行 ... - 防衛省防衛研究所 - [PDF]

19.日中戦争で旧日本軍が毒ガス使用 2091回で8万人以上死傷

20.敗戦に向かう日本:サイパン戦·フィリピン戦·沖縄戦 - Biglobe

日本国内の独占産業資本を軍需生産体制にすべて取り込んで『総力戦』を戦うために、1944年3月には郷古潔(ごうこきよし)三菱重工業社長、大河内正敏(おおこうちまさとし)理研工業社長、藤原銀次郎(ふじわらぎんじろう)王子製紙社長らの財閥の財界人を新設した『内閣顧問』に任命して更なる積極的で全力的な戦争協力を求めました。しかし、1944年7月にマリアナ諸島のサイパン島が陥落すると、海軍重鎮である岡田啓介(おかだけいすけ)、米内光政(よないみつまさ)、末次信正(すえつぐのぶまさ)らと東條内閣にいた岸信介(きしのぶすけ)商工相や重光葵(しげみつまもる)外相が『東條内閣打倒』を画策して、1944年7月18日に東條内閣は総辞職を余儀なくされます。

1944年(昭和19年)10月20日から終戦までの間に、生きて虜囚の辱めを受けずの『戦陣訓』を守る決死の徹底抗戦を続けて7万9261人もの膨大な戦死者を出しました。日本の本土防衛のために時間稼ぎの持久戦を命じられたルソン島の戦いでは、マニラからルソン島の北部山岳地帯に逃れていった日本軍が、食糧・弾薬が尽きても戦い続け飢餓やマラリアのためにジャングルの中でその生命を落としていきました。激しい飢餓に襲われた『フィリピンの戦い』では、やむを得ずに人肉食を行って露命をつないだ兵士もいたといいますが、約40万人以上もの大兵力を注ぎ込んだフィリピンの戦いでは、約33万人以上もの日本兵が飢えや伝染病、銃弾で死んだとされています。

長勇参謀長は民間人(非戦闘員)保護の戦時国際条約を軽視した人物としての伝聞も残っていますが、実際、この沖縄戦の戦死者は軍人・軍属が9万4136人、戦闘協力者も含む一般民間人は約9万4千人であり、軍人・軍属とほぼ同数の非戦闘員が命を失っています。苛烈さを極めた沖縄戦によって、沖縄県民約60万人のうち約15万人が『戦闘・餓死・自決・マラリアなど伝染病』で命を落としており、県民の約4分の1が戦死するという破滅的な状況に追い込まれました。アメリカは本土決戦に臨む前の前哨戦やバックナー中将死亡の復讐戦として、民間人を巻き込んで徹底的に日本人を攻撃するという無差別殺戮戦を展開しており、日本軍・住民が立てこもる洞窟・トンネルに爆弾を投げ込んでガソリンで焼き払うという残酷極める『馬乗り作戦』を実行したりもしました。…

日本軍は沖縄本島・石垣島・宮古島・南大東島に飛行機基地を建設するという名目で、『食糧・労働力・資材』などを沖縄県民に供出させそれに従わない県民に虐待・懲罰を加えましたが、日本軍が同胞であるはずの沖縄県民を無実のスパイ容疑で殺害したり、投降を許さず自決を強要したりする事件も少なからず起こりました。避難している壕からの追い出し、米軍への投降を許さない殺害・自決強要、洞窟内などでの集団自決、少なくなった食糧の強奪、洞窟で泣き声を出させないための乳幼児殺害などの事件によって、日本軍(敗残兵)から結果として殺された沖縄県民の数は約800人にも上ると見られています。無論、皇民化政策や鬼畜米英教育の結果として、鬼畜のように残忍なアメリカ軍の捕虜になって虐待や辱めを受けるくらいなら、自害したほうがマシであると思い込んで、沖縄県民が自発的に集団自決するような事例も続々と発生しました。

大宜味村(おおぎみむら)では、日本兵によって米軍に投降して保護下に入っていた沖縄の住民30数人が手榴弾によって殺害されていますが、これは投降した住民が米軍に何らかの軍部の情報を漏らすかもしれないという一方的で理不尽なスパイ疑惑(非国民疑惑)によるものでした。沖縄戦末期には、摩文仁近辺に追い込まれた日本兵約3万と沖縄県民約10万が直径7キロの狭いスペースに閉じ込められた事で軋轢が強まってしまい、軍人・軍属が一般住民を避難壕から追い出したり、『命令違反・スパイ疑惑・非国民批判・乳幼児の声で隠れている場所がばれる』などの理由で虐待・殺害(自決強要)したりする事件が多数起こってしまいました。(引用ここまで

その他、大江志之夫氏の著作『徴兵制』(岩波新書81年1月)や菊池邦作『徴兵忌避の研究』(立風書房78年1月)などがありますが、それについては、別項で取り上げます。