アベノミクス成長戦略と安倍式積極的平和主義は補完し合っている!
アベノミクスを評価しておいて安倍式積極的憲法否定主義を批判できない!
安倍首相のデタラメアベノミクス成長戦略とそれを保障・補完するための集団的自衛権行使など、軍事抑止力論の安全保障論の具体化である違憲の積極的平和主義の是非が問われた佐賀県知事選挙ですが、「保守分裂」というコピーが氾濫したまま、実際は、「岩盤」「規制」を「改革」するか、否か、いわゆる「農協改革」にだけ焦点が集まり、安倍政権の「強引さ」が「地元」に否定された形となりました。
そもそも総選挙で問われた消費税増税による国民生活破壊にアベノミクスは恩恵として届いていないにもかかわらず、「途上」論でゴマカシたのでした。またアベノミクス成長戦略の一環である、原発再稼働、TPP参加、安倍式積極的平和主義の代名詞でもある沖縄の「負担軽減」論の最重要課題であるオスプレイの配備なども、「争点隠し」というか、国民的議論を巻き起こすことをスルーしたまま、県知事選挙となりました。それが、そのまま継続され、不問に付されたまま県知事選挙となりました。結果は以下のとおりです。また総選挙と比較してみました。
県知事選
有権者数675,865人 投票者数369,114人 棄権者数306,751人 投票率54.61%
山口 祥義 無新 182,795 元総務省官僚
樋渡 啓祐 無新 143,720 〈自〉〈公〉元同県武雄市長
島谷 幸宏 無新 32,844 九州大大学院教授
飯盛 良隆 無新 6,951 農業
総選挙
有権者数680,935人 投票者数393,343人 棄権者数287,592人 投票率57.77%
比例 小選挙区
自民党 145,049 197,495
公明党 51,466
維新の党 36,478
次世代 5,453
民主党 105,062 168,286
生活の党 4,362
社民党 11,422
共産党 20,933 20,295
山口佐賀県政はアベノミクス成長戦略とどう向き合うか!
安倍政権はどのようなアメとムチを与えるか!
原発再稼働・オスプレイ・TPP「一点共闘」はどのように発展させるか!
この県知事選挙では、県民の大きな課題である原発再稼働・オスプレイ・TPPの課題で、いわゆる「革新」派は、一点共闘はできませんでした。というか、この課題で、これらの課題を推進する自民・公明派の「保守」派、態度が曖昧な二大政党派=民主派に切り込むことができたでしょうか。
以上の獲得票をみると、事実上自民と民主のたたかいであったように思います。「分裂」した自民党は総選挙の獲得票すら出ませんでした。公明党やお仲間である維新の党、次世代の党の合計票も出ませんでした。
その代わり「分裂」した自民党・農協派は山口氏を担ぎ、二大政党派である民主党派を取り込み、勝ったということではないでしょうか。
いわゆる「革新」派の共産党は総選挙より獲得票は増やしましたが、一点共闘と選挙が結びついたでしょうか。原発再稼働・TPP・オスプレイ配備など、安倍政権の「暴走政治」に対して、山口氏がどのような態度に出るか、注目です。同時に、敗北した安倍政権は、沖縄のように、どのようなアメとムチを与えていくことでしょうか。
そこで、以下、毎日と産経のアベノミクス成長戦略擁護派の社説を掲載しておきます。驚くべき社説です。「民意」は「黙殺」です。アベノミクス成長戦略容認の立場が、そのようなデタラメを正当化しているのです。
安倍首相が、その獲得票の少なさを「黙殺」して、小選挙区制のトリックで獲得できた「議席」をもって「信任を得た」とする論法を使って悪政推進を正当化するのです。そうであれば、この県知事選挙の結果は、有権者数675,865人、山口祥義氏の絶対支持率は182,795人、27.05%です。安倍政権派は樋渡啓祐143,720人、総選挙の時の自民党145,049人、公明党51,466人の合計196,515人より大きく後退しています。
安倍政権は、明らかに『敗北』と言わなければなりません。この結果は当然尊重されるべきす。しかし、二社の社説は、真逆の見解を表明しているのです。であるならば、総選挙の議席は認めるべきではありません。「信任」という安倍首相の論理は成り立ちません!
アベノミクス成長戦略は正しい!という毎日のスタンス浮き彫り!
やり方が問題だ!と安倍政権を応援している!
産経と同じことを言っていないか!
1.成長戦略の柱となる規制改革を頓挫させないためにも、
2.政府の農業改革の路線そのものが否定されたとみるべきではない
3.ましてや今回の審判をきっかけに構造改革に黄信号がともり、アベノミクスで「第三の矢」と位置づけている成長戦略に悪影響を与えるようなことがあってはならない
4.政府が進める地方創生にしても、自治体の意向を軽視して改革を押しつけるようでは、せっかくの取り組みが新たな対立を生じさせよう。
5.安易な中央主導への警告と受けとめるべきだ。
6.地方との信頼関係について、安倍政権は謙虚に足元を点検すべきだ
7.やはり問われるべきは、中央主導の進め方である
毎日新聞 佐賀知事選/安易な中央主導の失敗 2015/1/13 4:00
http://mainichi.jp/opinion/news/20150113k0000m070112000c.html
政権にとって、手痛い失点だろう。新人対決で保守分裂の戦いとなった佐賀県知事選は地元農協らが推す元総務官僚の山口祥義(よしのり)氏(49)が、自民、公明両党の推薦する同県武雄市の前市長、樋渡(ひわたし)啓祐氏(45)を大差で破る波乱となった。
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自民党はトップダウン型の改革派を知事に据えることで農協などの岩盤規制改革につなげようとしただけに、地元の反発を招いて敗北した影響は小さくあるまい。成長戦略の柱となる規制改革を頓挫させないためにも、地方との信頼関係について、安倍政権は謙虚に足元を点検すべきだ
古川康前知事が衆院選に出馬したことに伴う急な選挙は、保守王国に亀裂を生んだ。樋渡氏は市長時代に市の図書館運営の民間委託や、市民病院の民間移譲など個性的な政策を実現したことで知られ、首相官邸や自民党本部が主導して擁立した。農協改革などで佐賀を成長戦略のモデルとする狙いがあったとみられる。
こうした動きに地元は反発した。農協関係の政治団体や首長、自民県議の一部も加わり山口氏を擁立し、全国農業協同組合中央会(JA全中)の権限を縮小する政府の農協改革案が争点となった。選挙戦では菅義偉官房長官、谷垣禎一幹事長が樋渡氏陣営をてこ入れするなど官邸・党本部は総力戦を展開したが、結果は山口氏と約4万票もの差がついた。低投票率の下で組織票の多くが山口氏に回ったことの反映だろう。
春の統一地方選を控え、自民党には重い結果だ。佐賀は他県と比べても農業関係の集票力が強く、樋渡氏の大胆な改革やその手法にもかねて毀誉褒貶(きよほうへん)があった。地域や候補の事情が色濃く影響しているだけに、これで政府の農業改革の路線そのものが否定されたとみるべきではない。ましてや今回の審判をきっかけに構造改革に黄信号がともり、アベノミクスで「第三の矢」と位置づけている成長戦略に悪影響を与えるようなことがあってはならない。
やはり問われるべきは、中央主導の進め方である。行政手法が強引との批判もあった樋渡氏が県政を掌握すれば、市町村の意向をよそに中央の意をくんだ改革が押しつけられかねない、との警戒が地元には強かったはずだ。
自民党はさきの沖縄県知事選でも米軍普天間飛行場の辺野古移設に固執し続けたため保守分裂を招き、苦杯を喫した。国政での1強状態が地方との関係でおごりを生みつつあるのではないか。
政府が進める地方創生にしても、自治体の意向を軽視して改革を押しつけるようでは、せっかくの取り組みが新たな対立を生じさせよう。地方との信頼関係について、安倍政権は謙虚に足元を点検すべきだ。(引用ここまで)
産経のデタラメはいつものように産経自身が示している!
1「担い手の高齢化が深刻化し、耕作放棄地も増えている」というような「日本の農業」の現実を創ってきたのは、誰か!一切不問!免罪!無責任!に終始するのです。
2.「全国農業協同組合中央会(JA全中)を頂点とするピラミッド構造」を創ってきたのは誰か!一切不問!免罪!無責任!に終始するのです。
3.「伝統的に自民党の選挙を支えてきた」「農業票」でどんな政治をやってきたか!一切不問!免罪!無責任!に終始するのです。
4.自分がつくってきた「ピラミッド構造」を、「岩盤規制の象徴である農業を抜本的に見直せるかどうか、地域の農協や農家の実情に即した自由な経営を行えるように」するか、どうかは、「首相が目指す『強い経済』を実現するための試金石でもあるはずだ」と、安倍政権を激励するのです。
5.「ただでさえ、アベノミクスの恩恵は、地方に行き渡っていない」とアベノミクス成長戦略が破たんしていることを認めているにもかかわらず、「地方創生のカギを握る農業強化策で、地域の声を吸い上げるべきなのは論をまたない。だからといって既得権益を守る議論にくみするわけにはいくまい」と自らが創ってきた「農協」を「岩盤規制」「既得権益」と描き、アベノミクス成長戦略のために悪者として描くのです。
6.「衆院選での与党大勝で、アベノミクスの継続に国民から信任を受けた。一部の地方選敗北に動揺し、改革を後退させることは断じて許されない」と、小選挙区制のトリックで掠め取った議席であることを覆い隠し、また沖縄で敗北したにもかかわらず、沖縄のように、県民の意思。民意を黙殺することを当然視するのです。
産經新聞 佐賀県知事選/農協改革の後退許されぬ 2015/1/13 6:00
http://www.sankei.com/column/newslist/../../column/news/150113/clm1501130002-n1.html
保守の分裂選挙となった佐賀県知事選で、安倍晋三政権の農協改革に反発する地元JAの後押しを受けた無所属新人が当選した。政権にとって昨年の滋賀、沖縄両県知事選と同様の手痛い敗北である。4月の統一地方選をにらんで農協改革が停滞する懸念が強まっている。
そんな事態を許していいのか。衆院選での与党大勝で、アベノミクスの継続に国民から信任を受けた。一部の地方選敗北に動揺し、改革を後退させることは断じて許されない。岩盤規制の象徴である農業を抜本的に見直せるかどうかは、首相が目指す「強い経済」を実現するための試金石でもあるはずだ。
当選した山口祥義(よしのり)氏は早速、農協改革について「地方でしっかり話し合った上で進めるべきだ」と語り、政権側を牽制(けんせい)した。
地方創生のカギを握る農業強化策で、地域の声を吸い上げるべきなのは論をまたない。だからといって既得権益を守る議論にくみするわけにはいくまい。いま一度、原点を再確認すべきである。
日本の農業は担い手の高齢化が深刻化し、耕作放棄地も増えている。意欲ある農家の生産性を高める構造改革を先送りすれば、衰退傾向に歯止めをかけられない。そのための農協改革である。全国農業協同組合中央会(JA全中)を頂点とするピラミッド構造を見直し、地域の農協や農家の実情に即した自由な経営を行えるようにする。政府が国会提出を予定する農協法改正案で、JA全中による一律の監査・指導権限をなくそうとするのは妥当だ。
何よりも、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉を進めている今こそ、「攻めの農業」に転じ、成長産業へと発展させる好機である。重要農産品の関税死守に終始するばかりでは、交渉に参加した意味はなかろう。
農業票は伝統的に自民党の選挙を支えてきた。ただでさえ、アベノミクスの恩恵は、地方に行き渡っていない。農業にかぎらず、統一地方選に向けて地方への配慮を求める与党内の圧力が高まることは十分に予想される。だが、それで肝心の成長戦略が不十分になるようでは、経済最優先を掲げる首相の覚悟にも疑義が生じよう。首相に求めたいのは強力な政権基盤を生かし、効果的な改革を断行することだ。(引用ここまで)