「イスラム国」の蛮行を口実に自衛隊の海外武力行使容認粛々と!
こんなことが世界に垂れ流されて人質解放にプラスか!
昨日の国会において、安倍首相は、また一歩持論を披露しました。質問されて、ホンネを出す!質問者がもっと突っ込めば、もっと凄いホンネが出てくるのに、追及が甘い!少しずつ、小出しにしているから、なんとなく大きな問題ではないような「風評」が蔓延するのです。世論のマンネリが生まれる最大の原因がここにあります。
かつての国会で会ったら、国会がストップしてであろう安倍首相の発言ですが、嵐が起こるどころか、さざ波も起こりません。無風状態なのです。憲法改悪国民投票も、こうした「風評」と「世論」のなかで、何となく「改正」されるのではないでしょうか。しかも投票率は過半数にも満たない状況下の中で、何とか投票者の過半数を獲得して、憲法「改正」案が成立するということになるのではないでしょうか?
その点、共産党の以下の記事に観るスタンスは、マンネリです。大喝です。
一つは、「日本人人質事件と絡め、海外で危害に遭った日本人を自衛隊が救出できるようにする法案も含めて提出する考えを示していることです」という認識ですが、安倍政権のネライを考えれば、「絡めて」などという状況にないことは、以下の指摘に象徴的です。
(1)今回の人質事件のようなケースでの自衛隊の日本人救出活動は、安倍政権が昨年7月に行った「閣議決定」をどう読んでも可能にすることはできません。
(2)安倍首相が、「イスラム国」に空爆などを行っている米軍主導の「有志連合」に対し「後方支援は武力行使ではないから、国連の決議がある場合、そうではない場合も、憲法上は可能」と語ったことは極めて重大です
(3)従来禁止されてきた「戦闘地域」での自衛隊の米軍支援に道を開く「閣議決定」の危険性を浮き彫りにしています。「海外で戦争する国」づくりのための「閣議決定」を直ちに撤回し、法制化は中止すべきです。
二つは、この事件を承知していながら、ほとんど手を打ってこなかったに等しい状況にありながら、中東を訪問して挑発演説を行った安倍政権のネライを考えれば、安倍政権打倒を掲げている共産党の方針は「自粛」論に与することはあり得ないことは明らかです。
三つは、「イスラム国」の「支配地域」などは流動的です。固定的に観ることはできません。このようなことを知りながら、スリカエ・ゴマカシ・デタラメの手口を使う安倍首相の曖昧な表現の枠内で議論していると、安倍首相の土俵で相撲を取ることになります。今回の中東訪問は、以下の赤旗の主張を読めば、安倍首相が、人質事件と身代金要求、ヨルダンのパイロット兵士の捕虜などの事態を把握しながら、エジプト・イスラエルとの軍事協議、ヨルダンへの支援など、「敵対する」「イスラム国」への挑発演説をしたことは明らかです。
四つは、「政府として、情報の収集、事件の解決のためのあらゆる努力を行うことを求める」「人命尊重で人質解放のために、あらゆる努力を尽くすよう求めます」という安倍政権の「要求」だけで良いものかどうかです。
以下ご覧ください。
赤旗主張 安全保障法制整備 なし崩し拡大発言は重大だ 2015年1月29日(木)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-01-29/2015012901_05_1.html
安倍晋三政権は、集団的自衛権の行使容認を柱にした「閣議決定」を具体化する安全保障関連法案について、与党協議などを経て、5月の連休明けに国会に提出しようとしています。見過ごせないのは、安倍首相が、過激組織「イスラム国」を名乗るグループによる日本人人質事件と絡め、海外で危害に遭った日本人を自衛隊が救出できるようにする法案も含めて提出する考えを示していることです。「海外で戦争する国」づくりへの危険ななし崩し的拡大です。
自衛隊の救出は非現実的
安倍首相はNHKのインタビュー(25日)で、人質事件に触れた上で、「このように海外で邦人が危害に遭った時、その邦人を救出するために自衛隊が持てる能力を十分に生かすことはできない。そうした(自衛隊による邦人救出のための)法制も含めて今回法整備を進めていく」と語りました。
しかし、今回の人質事件のようなケースでの自衛隊の日本人救出活動は、安倍政権が昨年7月に行った「閣議決定」をどう読んでも可能にすることはできません。
「閣議決定」は、自衛隊が「武器使用を伴う在外邦人の救出についても対応できるようにする」とし、武器を使用した海外での救出活動に初めて踏み込みました。
一方で、自衛隊の活動は「領域国政府の同意が及ぶ範囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲」としました。
政府はこれまで海外での自衛隊の武器使用について、国家や「国家に準ずる組織」に対して行った場合は、憲法9条が禁じる武力行使に当たるとし、自衛隊員の自己防衛などに限定してきました。
これに対し、「閣議決定」は、領域国政府が同意しその権力が維持されている領域内であれば、敵対する「国家に準ずる組織」は存在しないと決め付け、自衛隊の救出活動などの「警察的な活動」でも武器使用は可能としたのです。
今回の人質事件はこうしたケースにも当てはまりません。
事件は、「イスラム国」の支配地域で起こっており、領域国政府であるシリア政府やイラク政府の「権力が維持されている範囲」とするのは無理があります。こうしたケースでの武器使用は、「閣議決定」の立場からしても、憲法9条の禁じる武力行使に抵触することは明白です。
そもそも武器を使用した救出活動に道を開く「閣議決定」自体が大問題です。
海外で人道支援に取り組むNGOは、自衛隊による救出は現実的ではなく、「近年の紛争の現場は非常に複雑で、誰が『敵』で誰が『味方』なのかを見極めることは、困難」で、「外国軍も武装グループからの攻撃の対象となり、攻撃に対する防御が攻撃に転じて、エスカレートしていく」(日本国際ボランティアセンター提言)と批判しています。
「閣議決定」の撤回直ちに
安倍首相が、「イスラム国」に空爆などを行っている米軍主導の「有志連合」に対し「後方支援は武力行使ではないから、国連の決議がある場合、そうではない場合も、憲法上は可能」と語ったことは極めて重大です。
従来禁止されてきた「戦闘地域」での自衛隊の米軍支援に道を開く「閣議決定」の危険性を浮き彫りにしています。「海外で戦争する国」づくりのための「閣議決定」を直ちに撤回し、法制化は中止すべきです。(引用ここまで)
今日の赤旗を観ると、以下の記事が掲載されています。この記事は「絡めて」から「日本人人質事件口実」と変更されました。当然です。「今回の事件を口実に、将来的な海外派兵の要件を拡大する狙いです」というのであれば、全国津々浦々で何をしなければならないのか!これだけでは判りません。憲法9条を持つ国の共産党が、
1.人質解放をヨルダン政府頼みの安倍政権に一任するのではなく、
2.国民的運動で国際社会にどのようなメッセージを送っていくのか。
3.憲法9条を持つ国の共産党が憲法9条を否定する安倍政権に人質の解放に全力を挙げることを要求するだけでなく、何を要求するか。
4.全国津々浦々で人質解放の草の根の運動をどのように展開するか。
以上のような方針が提起されるか、明日の赤旗が明らかにすることでしょう。それにしても、政権を担うという自覚があるならば、ヨルダン国民のように、国民とともに、意見表明運動を発展させるべきではないでしょうか。現在のところ、そのような思考回路はありません。
あの「池内さおり衆議院議員叱責事件」に象徴されているように、受身の共産党、「自共対決・提案・共同」、「国民が主人公」「多数者革命」は名ばかりと言われても仕方ありません。
何故か。これだけ毎日毎日テレビを通じて国民に、安倍政権の側の「情報」が、まるで「大本営」発表のように垂れ流されているのです。それは憲法改悪を正当化するものであることは周知の事実です。そのような策略に共産党が、その情報に噛み合う運動を展開していけば、国民の共産党への関心・興味・期待はいっそう重みを増していくのではないでしょうか。しかも、憲法9条を持った国として何をなすべきか、日本国民としての確信が広がっていくのではないでしょうか。
国会で議論されている沖縄・原発再稼働・東日本大震災・TPP・消費税と社会保障・賃金など、暮らしの問題と、安保法制問題と、この人質・身代金事件は、皆、密接に関連しています。これらの問題をバラバラに捉えるような情報の垂れ流しです。全てが国民生活破壊、平和と人権破壊の憲法改悪に収斂させようとしていることは明らかです。
だからこそ、一つひとつの問題に憲法を活かす政権公約を対峙させて、憲法を活かす政権構想に結び付けていくことが、安倍政権を倒して、国民の命と暮らしと平和を守り、民主主義を発展させていくことになるのではないでしょうか。
こうした位置づけが極めて弱いというのが、現在の共産党と言えます。大喝です。
それでは以下の記事をご覧ください。この記事はネットには掲載されていません。全く不思議です。安倍政権の人質解放に悪い影響を与えるとでも思ったのでしょうか?「絡めて」から「口実に」という認識の発展があります。ここに、安倍政権に対して、人質解放問題と自衛隊の武力行使問題が密接にリンクしていること、安倍政権が、口では「イスラム国」の「蛮行」を非難し、人質の解放に全力を挙げると表明していても、その腹の中は別腹と言わざるを得ないのです。
しかし、だからと言って、安倍政権は日本国の政権です。人質解放にあらゆる平和的手段を使って、努力を傾けていくことは当然のことです。国民としては、このことを貫かせることが、大きな役割であり、責任であるということです。その先頭に共産党の、国民の苦難に寄り添う共産党の役割・責任ではないのでしょうか。
赤旗30日付2面 「邦人救出」武器使用も 日本人人質事件口実に首相が言及
安倍首相は29日の衆院予算委員会で、過激組織「イスラム国」による日本人人質事件を踏まえ、「邦人救出」を口実に、自衛隊の海外派兵と武器使用を可能にする意欲を表明しました。安倍政権は今国会に、集団的自衛権の行使を可能にした昨年7月の「閣議決定」を具体化する意欲を示しています。民主党の小川淳也氏が「今回(イスラム国による日本人人質事件)も検討対象になるのか」と質問したのに対し、首相は「領域国の受け入れ同意がある場合は、自衛隊の持てる能力を生かし、救出に対応できなくなるようにするのは国の責任だ」と答弁しました。ただ、「閣議決定」は邦人救出を行う自衛隊の活動範囲を領域国政府の「権力が維持されている範囲」などと限定しています。このため法整備が実現しても、今回のように国家組織ではない「イスラム国」の支配地域からの人質奪還は困難とみられます。首相は、今回の事件を口実に、将来的な海外派兵の要件を拡大する狙いです。(引用ここまで)
以下、この事件後の共産党がどんな方針を掲げて、どのような運動を、赤旗で紹介してきたか、ご覧ください。その特徴を以下に掲載しておきました。
人質救出の課題は安倍政権に全力を!
自衛隊の武力行使を狙う安倍首相の中東訪問批判なし!
集団的自衛権行使など憲法否定の安倍政権打倒の運動あり!
安倍政権打倒後の憲法活かす政権の樹立の声はなし!
反テロ 欧州・世界が連帯/平和的解決 求める声 [2015.1.13]
安倍首相自ら売り込み/エジプト大統領と会談/企業幹部引き連れ [2015.1.19]
日本人2人殺害警告/「イスラム国」が身代金2億ドル要求 [2015.1.21]
山下書記局長が会見
日本共産党の山下芳生書記局長は20日午後、過激組織「イスラム国」とみられる日本人殺害予告について党本部で記者団に問われ、「テロ集団による卑劣な行為は絶対に許されない。政府として、情報の収集、事件解決のためのあらゆる努力を行うことを求める」と述べました。(引用ここまで)
過激組織「イスラム国」とは/米国のイラク侵攻後の混乱に乗じ拡大/残虐な人権侵害に国連も制裁 [2015.1.21]
国連安保理は、14年8月15日、イスラム国の「暴力的で過激なイデオロギー、引き続く重大かつ系統的、広範な人権侵害と国際人道法の侵犯」を最大限の言葉で非難する決議を採択。「イスラム国」に属する個人への制裁を決定。同組織への資金援助や戦闘員派遣などの取り締まりが国際的に進められています。米軍は同月8日から、北大西洋条約機構(NATO)加盟国やアラブ諸国とともに、イスラム国の拠点への空爆を開始しています。しかし、これにはかえって現地の混乱を拡大するとして根強い批判があります。(引用ここまで)
主張/「イスラム国」人質/人命もてあそぶ蛮行糾弾する [2015.1.22]
中東地域では「対テロ戦争」という名の武力介入が、民間人の犠牲を広げ、憎悪を拡大し、逆にテロの温床と口実をつくりだしてきました。こうした経過も踏まえ、「イスラム国」の蛮行を支える人的資源、収入源を断つ国際的努力が強く求められています。(引用ここまで)
残虐非道な蛮行を非難――政府は人質解放のためにあらゆる努力を/NHK番組 志位委員長が表明 [2015.1.26]
「いま、彼らがやっていることは、残虐非道な蛮行であって、絶対に許すわけにいかない。強く非難します。そして人質の解放を強く求めたいと思います。日本政府に対しては、人命最優先で、解放をはかるために、あらゆる手段、あらゆる可能性を追求してほしいと思います」(引用ここまで)
「イスラム国」人質事件/際立つ残虐性と身勝手ぶり/犯罪許さぬ国際的包囲網を [2015.1.26]
声明は、リシャウィ死刑囚と、何の罪のない後藤さんとの交換を「公正だ」と述べていますが、これも一方的で、身勝手なものです。後藤さんの解放に全力をつくすと同時に、このような犯罪行為を許さない、国際的な包囲網が求められています。(引用ここまで)
辺野古新基地・集団的自衛権…/安倍政権打倒コール/官邸前行動 人質救おう [2015.1.26]
安倍政権打倒を掲げた抗議行動が25日、首相官邸前でおこなわれました。「怒りのドラムデモ」が主催したもの。沖縄・辺野古米軍新基地工事の強行や集団的自衛権行使に向けた法整備などに怒り、「イスラム国」とみられる組織に人質にされた後藤健二さんの救出に向けた平和的な対応を求めて、約300人が声をあげました。…東京都中野区に住む男性(50)は、人質事件について、「安倍首相は人命を最優先にして行動し、何としても救ってほしい」と語りました。事件に乗じて安倍首相が自衛隊の海外派兵を可能にする法整備を言い出したことについても「絶対にやめるべきです」と話しました。(引用ここまで)
躍進後初の国会論戦――国民の期待にこたえる大奮闘を/日本共産党国会議員団総会 志位委員長のあいさつ [2015.1.27]
「イスラム国」の人質事件 残虐非道な蛮行を強く非難――政府は人質解放のためあらゆる努力を
まず、過激組織「イスラム国」による人質事件についてのべます。人質とされていた湯川遥菜さんが殺害されたとみられる写真がインターネット上に投稿されました。きわめて痛ましい事態であります。このような残虐非道な蛮行は、絶対に許されるものではありません。強い憤りをもって非難します。後藤健二さんをすみやかに解放し、ご家族のもとに帰すことを強く要求します。日本政府に対して、人命最優先で、人質の解放のために、あらゆる可能性・条件を追求して、全力をあげることを求めるものです。(引用ここまで)
憲法破壊させない/国会前 3団体、初の共同行動 [2015.1.27]
通常国会が始まった26日、安倍暴走政治を許さない集会やデモが国会周辺で終日取り組まれました。夕方には、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を具体化する法案阻止などを掲げる「国会前総がかり行動」が衆参両院議員会館前で行われました。2500人が「戦争する国絶対反対」「安倍政権の憲法破壊を阻止しよう」と訴えました。主催は、「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」。「戦争する国づくりストップ! 憲法を守り・いかす共同センター」「戦争をさせない1000人委員会」「解釈で憲法9条を壊すな! 実行委員会」の3団体で構成する実行委員会として、初めての共同行動です。3団体の代表があいさつ。「共同センター」の吉田万三氏は、「今やるべきことは、安倍政権から日本を守ることです」と訴えました。(引用ここまで)
さあ 安倍暴走と対決/請願デモと党議員団エール [2015.1.27]
国会開会日の26日、国会請願デモがおこなわれ、躍進を遂げた日本共産党の国会議員が衆参両院の議員面会所前にずらりと並び、デモ参加者とエールを交換しました。国民大運動実行委員会、中央社会保障推進協議会、安保破棄中央実行委員会の3団体が主催したもの。衆院議員面会所でデモ参加者を出迎えた党衆院議員は、別の行動であいさつしていた畑野君枝議員がかけつけて21人中18人に。二列に並び、大きな拍手でデモ参加者を激励しました。「辺野古の新基地建設はやめろ!」「政党助成金は廃止しろ!」。350人の迫力あるコールが、国会前に響きました。「最後までたたかうぞ!」と決意しあった後、参加者が次つぎと議員のもとへかけよりました。「頑張って」「頑張ります」とかたく手を握りあう―。安倍政権の暴走に真正面から立ち向かい、議案提案権を生かした攻めの国会の幕開けです。(引用ここまで)
国民が求める方向に逆行 アベノミクスは転換を/衆院本会議 穀田氏が代表質問 [2015.1.28]
補正予算財政演説に対する/穀田議員の代表質問/衆院本会議 [2015.1.28]
「イスラム国」の蛮行を非難――政府は人質解放へ努力を
質問に先だって、「イスラム国」を名乗る過激組織による蛮行についてです。湯川遥菜(はるな)さんが殺害されたとされる写真がネット上に投稿されています。残虐非道な蛮行に対して強い憤りをもって非難します。後藤健二さんを直ちに解放することを強く要求するものです。政府は、人命最優先で人質解放のため、あらゆる努力を尽くすよう求めます。(引用ここまで)
社会保障削減・軍拡やめ国民本位の経済政策を/参院本会議 井上氏が代表質問 [2015.1.29]
補正予算財政演説に対する/井上議員の代表質問/参院本会議 [2015.1.29]
許されない「イスラム国」の蛮行――人命優先で解決を
質問に先立ち、いわゆる「イスラム国」とみられる集団による残虐非道な蛮行を厳しく非難するものです。人質とされていた湯川遥菜(はるな)さんを殺害したとしていますが、絶対に許されません。新たな投稿があった後藤健二さんの解放を強く求め、政府に対し、人命最優先で解決するためにあらゆる努力を尽くすことを求めるものです。(引用ここまで)