地元の梅の名所が、いま盛りを迎へてゐる。
花を見上げて談笑してゐる人々の聲が、
花の下(もと)では、
ささやき聲に聞こえる不思議さよ。
そんな梅にちなんだ手猿楽を創りたいと、
よい道具は手に入れて久しいが、
肝心の勉強が、
まだまだ足りませぬ。
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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