dmenuニュースより
http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20210104-0201?fm=d
時代劇を観た人なら誰もが顔を知ってゐる、まさに時代劇の“顔”でした。
十五年前の「第19回東京国際映画祭」で、日本の時代劇映画を特集した“ニッポン•シネマ•クラシック”が澁谷のBunkamuraで開催された際、スペシャルゲストとして招かれた福本清三さんを、私は拝見したことがあります。
「ラスト•サムライ」の出演秘話を披露した後、時代劇で斬られるシーンを實演して下さり、専賣特許の体を大きくのけ反らせて倒れる演技は、若い頃にだうしてもカメラに顔を映したくて編み出したものであることをお話しすると、客席から暖かな笑ひが起きたことを憶へてゐます。
時代劇が華やかな剣戟から湿っぽい人情モノへと堕ちたのちは、現代物の二時間ドラマでお寺の住職役に出演されてゐるのを拝見し、面白く思ったものでした。
芝居を面白くしてゐる真實(ほんたう)の“名優”とは、主演者以上に福本清三さんのやうな「職人的縁の下の力持ち」に拠るところが大きいことを、決して出しゃばることなく教へて下さった功績は大きいと思ひます。
合掌