迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

疫病禍における生活術。

2021-11-11 19:02:00 | 浮世見聞記


三年ほど前、近所で土地を切り崩して數棟の建賣住宅が出来、すぐ若い家族によって完賣したが、早くもそのうちの一軒が空き家となり、内装業者が入ってゐるのを見る。

この人災疫病禍で収入が覺束なくなり、つひに分割拂ひも不可能になって出たものか?

だとしたら、高額の買ひ物を分割で拂ふと云ふ行為は、それはしょせんその人の生活の身の丈に合ってゐないと云ふことだ。

だから、いまの疫病禍のやうな不測の事態に直面すると、完済出来なければ自分の物とはならないだけに──つまり借家住まひと変はらない──、たちまち城を明け渡さなくてはならなくなる。


都内忘所の或る薄給取りは、ただ周囲への見榮だけのために無理に數億の借金をしてトウキョウ一等地の“タワマン”に住み、隣近所の金持ちと食事に出かけ、外車に乗ってみせ、しかし内實は當然苦しい云々。



ちゃんと身の丈に合った生活をしてさへゐれば、たちまち生活苦になどならないものである。








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