迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

氷夏耳涼。

2023-05-05 06:30:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送の觀世流「氷室」を聴く。

今は昔、山中に設けられた天然の氷貯蔵庫を氷室(ひむろ)と云ひ、夏場にはここから氷をミカドへ献上云々、亀山院の臣下が丹波國の氷室山中で出逢った氷室を守る老人は、實は氷室明神の化身にて、やがて正体を現すと、ミカドへ氷を献上する様を見せて御代を壽ぐ──



曲中の季節は春であり、夏の曲ではないが、“氷”が主題ゆゑに現在では夏場の演能會で、ちょくちょく仕舞でも舞はれたりする。

私も暑い季節に忘流の仕舞で觀たやうな記憶があるが、はっきりしないのは暑さでボンヤリしてゐたからか?


氷のやうにシャキッとした今回の謠に、まずは今のボンヤリとしたくなる夏日を忘れて、しばしの涼を聞く











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