
晴天に縁のないこの頃の空を見上げると、柿の木にまだ小さいが、実の成っているのを見つける。
世上の混迷にはまったく関わりなく、草木は四季に身を委ねて生きてゐる。
無駄な情報が、
浮世を混乱に陥れる元凶なり。
またそれにまんまと乗せられる人間も、然り。
無心になることは、難しいのだらうか。
自分の気持ちに合致した本に巡り逢へた時、
自分の気持ちに合致した“型”を、扇を片手に生み出した時、
私はたぶん、無心になってゐるはずだ。
浮世の雑音を遮断するか、それを超える心境に至らなければ、ヒトは“オトナ”にはなれないのだらうか──
柿の実はしっとりと濡れた姿で、ただ答へずにゐる。
世上の混迷にはまったく関わりなく、草木は四季に身を委ねて生きてゐる。
無駄な情報が、
浮世を混乱に陥れる元凶なり。
またそれにまんまと乗せられる人間も、然り。
無心になることは、難しいのだらうか。
自分の気持ちに合致した本に巡り逢へた時、
自分の気持ちに合致した“型”を、扇を片手に生み出した時、
私はたぶん、無心になってゐるはずだ。
浮世の雑音を遮断するか、それを超える心境に至らなければ、ヒトは“オトナ”にはなれないのだらうか──
柿の実はしっとりと濡れた姿で、ただ答へずにゐる。