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東京都心では31℃越えの真夏日となった今日、神奈川縣秦野市に鎮座まします出雲大社相模分祠──“關東のいずもさん”に初めて参拝す。
明治二十一年(1888年)、當地累代の神職の家に生まれた草山貞胤翁が出雲大社より御分靈をこの地に鎮祭云々、
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出雲大社の分祠は全國でもこの社のみ云々、雲州までは遠くてなかなか行けずとも、ここならば小田急線の秦野驛より徒歩で約二十分、その話しを昨年に人から聞いて以来関心があって、今日に御縁を結ぶ。
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出雲大社は縁結びの神様なるが、なにも異性(ひと)とばかりが縁結びではないだらう。
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私は、もっと私らしい良縁をのぞんで、今日まで生きてゐるのだ……。
午後は鎌倉へ行く。
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普段ならば辟易して敬遠する小町通りを、今回は現状觀察のつもりで足を踏み入れる。
人通りは多けれど、沿道の店に立ち寄る觀光客は殆どなく、どの商種も閑古鳥なのは意外や意外。
忘店では三人の店員がぼんやりと立って通りを眺めており、今回もよく見かけた外國人觀光客たちにすら見向きもされてゐないとなると、不振の原因はなにも人災疫病禍による外國人の入國制限ばかりではないと云ふことになりさうだ……。
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鶴岡八幡宮においても、同じことを念じて石段を下る。
周辺の店舗は、古くからの店が殆ど姿を消して、現在(いま)風な店が取って代はって軒を連ねど、それすら好況とは映らなかったのが、今日の觀察で氣付いた點。
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どこにでもある店をそこで開いても、結局は「別にここでなくても……」と素通りされてしまふのだ。
さうしてその觀光客たちは、ハテどこへ流れて行くのやら。