迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

『藤波は君が千歳の松にこそ掛けて久しく見るべかりけれ』。

2018-04-19 19:43:16 | 浮世見聞記
地元でもふだんあまり通らない道を、用事があって歩いてゐたら、思ひがけず藤を見つける。

そこに自生のやうな棕櫚の木があることは知ってゐたが、それに藤が絡み付いてゐたとは、今まで全く知らなかった。





藤は単体で見れば美しい花だと感心するが、



かうして他の植物に絡み付いてゐる様を見ると、生き物としての獰猛な本能を認めずにはいられない。


そして、歴史マニアどもがよく引き合ひに出す、

“天皇家に絡み付く藤原氏”

を、思ひ起す。


もっともそれは、なにも天皇家と藤原氏に限らず、浮世のありとあらゆる場面で目撃されるが、これ以上そんなことを話すのは野暮なりけり。



「ここは役所ですよ。甘い汁なら、先に吸うてます!」

──落語「ぜんざい公社」より




部屋の窓から西の空を見上ぐれば、澄んだ三日月が笑ってゐる。



ここは鶯が唄ふ町。


花鳥風月。


住めば都?


住まずとも、

自分がさうと決めた場所が、

都じゃよ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 聞こえないといふ真実。 | トップ | 自動扉講釈。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。