お墓参りに行く。
遠くに望む富士山は、いつものやうに美しい。
かういふものは、遠くから眺めるに限る。
ゲーノージンと同じで、近くで見るものではない。
お墓には、年末の挨拶で供えた花が綺麗なまま花立てにあった。
旧年と新年、時間のつながりを思ふ。
帰りはそのまま公園を散歩する。
芝生廣場では凧揚げ合戰の最中。
昨日より人出が多い。
密集はしてゐないが、しかしそれに近いものはある。
もっとも、他人(ヒト)のことなど私の知ったことではない。
自分さへあのなかにゐなければ、それで良いのだ。
『令和三年も無事に生きる』──
手猿樂を安心して舞へる日が、いつ訪れてもいいやうに。
それ以外に、なに願ひなどあらう。