迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

母國誇衣。

2024-11-26 15:20:00 | 浮世見聞記
橫濱ユーラシア文化館の特別展「思い出のチマ・チョゴリ」を觀る。


朝鮮王朝時代を舞薹にした時代劇ではお馴染みなチマ・チョゴリの實物が、間近で多く見られる魅力的な企画で、在日韓國人の女性たちが出品協力した一點一點には、母國への想ひと誇りを胸に生きた物語が詰まってゐて、その喜怒哀樂の重みがふわりとした生地に包まれてゐることには、自ずと襟を正したくなるものがある。




現在は女性の衣料であるチマは、古代の三國時代には男女が着用云々、李成桂(イ・ソンゲ)を祖とする朝鮮王朝以降、時代によって丈の長短に變化があり、近現代には柄や材質に洋風が取り入れられるなど、時代を反映しながら共に生きてゐる民族衣裳であることを知る。




その衣裳を試着できる場が、私の訪れた日には設けられてゐたので、ドレドレと立ち寄る。

男性の官服であるタルリョン(團領)を着てみたかったがその用意はなく、王族女性を思はすチマ・チョゴリが氣になったので係の韓國人女性に思ひ切って申し出てみたところ、「人生一度きり、なにごとも經験」と快諾してくれたので、お言葉甘へて袖を通し、冩真も撮ってもらふ。




さぞかし「まったくヘンなオトコだ……」と思はれたことだらうが、男物女物問はず綺麗な衣を纏ひたいから、私は手猿樂師なのである。


韓國の景福宮界隈に、タルリョンも試着できる店がいくつかある云々、ではいつかその時に、と厚く禮を述べる。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 知るも知らぬも萩の庭。 | トップ | 漁師文化のオモカゲ。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。