わが町から隣町、その隣町へと散歩する。
初めてその町を訪れたやうな──“旅”をしてゐる氣分になる。
いつもの道を逆に行ってみる。
いつも背にしてゐる景色が眼前に續く。
初めてその町を訪れたやうな──“旅”をしてゐる氣分になる。
やがて、町が視界いっぱいにひろがる。
山中の旧街道を長く進み、やがて眼下に旧宿場町が見えて来た時の、「ああ、着ひた……」といった安堵感を思ひ出す。
遠い旅の空を、
隣町で樂しむ。
いつか安心できる日が来たら、
どの古道を訪ねやうか──?
その日のためにも、
いまは心身をよく鍛へておくことだ。