今日の東京は氣温が34.4℃まで上がったらしい。
暑いのは困るが、しかし夏のスカッとした晴天は、氣分を高揚させるものがある。
……それは、人間サマの場合。
物見櫓から浮世を眺めてゐると、この炎暑下に犬を散歩させてゐる人をよく見る。
ニンゲンが靴を履ひてゐてさへジワジワと熱さを感じるアスファルトを、胴が低い“裸足”の犬に歩かせて大丈夫なのか──?
大丈夫なわけがない。
實際、肉球をヤケドすると云ふ。
ニンゲンが手の甲をアスファルトに當てて、熱いと感じた時は犬の散歩は止めたはうが良いと、ラジオで聞ひたことがある。
そこで試してみる。
私は慌てて手を引っ込め、涼しい室内へ逃げる。