ブルックス・ブラザーズが経營破綻云々。
先に倒産したレナウンと並んで、私もいくらか御縁のあった企業なので、「さうか……」と、曇天を仰ぐ。
倒れないと信じてゐた大木が災害で倒れ、見たら中が空洞になってゐた──
鶴岡八幡宮の“隠れ銀杏”の例を思ひ出す。
かたや、新宿の忘劇場で芝居を観てゐた観客の一人が、演者から“観劇記念”に支那病菌をいただく云々。
この状況下で劇場や催事を再開しやうなどと云ふ首を傾げる風潮のなかでもたらされた、これぞ樂しい知らせだ。
ちなみに感染源となった新宿の忘劇場の経營者は、“お手上げ宣言”中に報道屋の取材で、「文化」や「藝術」だのと、オモシロイことを口にしてゐた。
その結果、いま再開したらだうなるか、と云ふ人体感染實験の結果を如實に示したことは、場所がいま話題の新宿であるだけに、立派な社会貢献と言えるだらう。
──ほら言はんこっちゃない、と言ふ気にもならぬ。