迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

創晴奮舞!

2023-04-23 19:25:00 | 現代手猿樂


今春もご縁あって、東京都目黒區大橋の上目黒氷川神社で開催された「第8回 おかげマルシェ」にて、現代手猿樂を舞ふ。



昨春にこの催しで、感染症對策のためマスクを着用して裃姿の略式で舞った「村雨留」を、今回は面と装束をつけた本式で舞ふ。



思へばこの催しで披露しやうと能「熊野(ゆや)」をもとに創った途端、人災疫病禍のためその機會を奪はれ、実に三年越しで“初演”が叶ふ。



三年前の今頃、自分はどんな思ひで目に見えぬ“敵”を窓から見てゐたか、時間が經つにつれてつひ忘れさうになるが、記憶は風に飛んでも病菌そのものは現在(いま)も風に舞ってゐることは、忘れてはならぬ現實である。


そして今回はもふ一曲、せっかくだから軽妙な作品もと、「春雨おもん」を披露する。



ある日突然頭に閃き、そのまま一氣に創り上げた踊り。



「傳統藝能のさまざまな要素を自由に採り入れた創作藝能」を主旨とする現代手猿樂らしく、さらに自分のやりたいことをあれこれと取り込んでまとめた作品。



──誰もやらないことを自らの手でやるから、創作は樂しいのだ。 










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