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四年ぶりに再開された大相撲春巡業を、四年前と同じ橫濱アリーナで觀る。
ただ、あの當時と比べて呼びものとなる力士がさらに減ってゐることは事實で、
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あの頃から何となく應援してゐる、いまや独り大関の貴景勝も今回は休場、お目當もなく行くのは止めやうかと思ったが、人災疫病禍のために長らく觀るに觀られなかったこと、またその疫病のために勝武士と云ふひとりの若い力士が亡くなってゐることを思ひ返して、
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切符が手に入って今日を迎へたのも御縁と出かけることにする。
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切符が手に入って今日を迎へたのも御縁と出かけることにする。
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独り橫綱照ノ富士の、満身創痍をおしての土俵入りはそれでも貫禄は充分、上位と怪我が比例するのも宿命か。
幕内の取組はなにやらダラダラとしてゐて退屈、三役──但し大関不在による繰り上げの──に至ってやうやく相撲らしくなり、
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照ノ富士と豊昇龍の結びの一番では、橫綱が寄り切って今日の相撲をしっかり締めくくる。
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TV中繼ではなかなか映らない弓取式もしっかり觀て、十五時九分に打ち出し。
觀客の入りは七割ほどで、賑はひは五割ほど、やはり話題の力士を欠くことも原因のやうに感じられる。
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それでも、“お相撲さん”の飾らぬ姿を間近で見られる──但し四股名を知らぬ──ことは樂しみではあり、
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来年こそは、貴景勝にも参加してほしいものと願ふ。