思へば半年前に先代の為政者代表が“お手上げ宣言”を發出し、街からヒトの姿が消えたとき、鐵道から朝夕の「人身事故」も消え失せる。
おかげで朝夕の計画も立てやすくなり、皮肉にも本来の在り方が戻ったな……、と苦笑まじりに感じてゐたものだ。
が、浮世が「経済活動」を言ひ訳に再び右往左往を始めた現今、やはり鐵道人身事故の多發も、元に戻った。
人災疫病に感染するべくして感染した尻輕どもの多さといい、かうした安全意識や危機意識の無い輩の多さには、つくづく嫌惡を覺える。
──私が、浮世はかつてに戻らなくてよい、と常に強く思ふ理由のひとつが、これなのである。