迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

てつみちがゆく──美貌色。

2018-08-14 23:40:59 | 鐵路
新宿の京王百貨店で、今日まで「鉄道フェスティバル」を開催してゐると知り、七階の催事場を覗いてみる。

運転シミュレータあり、Nゲージあり、プラレールありにちびっ子たちは大喜び、オジサンたちは童心へ返ったかのやうに瞳(め)が輝いてゐる──

私も浮かれ足でグッズコーナーを巡ってゐるうち目に留まったのが、懐かしい東急デハ3450形のプラモデル。

幼少時代、池上線と目蒲線と云へば、緑色のあの車輌だった。

当時おなじく走ってゐた初代5000形と並んで、その記憶はいまも鮮明だ。


姿を消して30年ちかくが経った現在、

いま組み上がったその模型を部屋で眺めてゐると、

古い車輌特有の、

あの牛の唸るやうなモーターの音が聞こえてきて、

いつしか両親に手を引かれて乗ったあの日へと心が誘はれ──



はっと我に返ったとき、

その古風な美貌にいまなお惚れてゐる自分に気が付く。
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