池上本門寺靈寶殿にて、「本門寺の狩野派」展を觀る。
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江戸幕府の奥繪師を數家に分かれて代々つとめ、池上本門寺に墓所もある狩野派歴代當主の作品を揃へた企画展、傳統的に定型化された構図を代々描いてゐたとの漠然とした印象を、はっきりおのれの不認識と知らしむ。
清爛なやまと繪風もあれば、静謐な水墨画風もあり、當主の數だけ繪にも“顔”があるのである。
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“顔”と云へば、木挽町狩野派の九代目だった狩野養信(おさのぶ)の容貌を、發掘した頭蓋骨より復元した像は、なかなか端麗な顔立ちゆゑに目をひく。
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(※案内チラシより)
繪師本人がまさに“錦繪のやう”、ふと三代目の河原崎權十郎を思ひ浮かべた。