迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

昔男まめ男。

2017-12-03 23:41:05 | 浮世見聞記
三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。 中世には鎌倉街道の宿駅がおかれていたと云ふこの地には、無量寿寺といふ古刹がある。 昔の神仏習合の名残か、すぐ左隣に日吉神社が並ぶこの寺は、「伊勢物語」第九段によると、東下りの在原業平がいま咲ひてゐる“かきつばた(杜若)”の五字を句の頭に据ゑて旅の心を詠め、と人に請はれて、 『“か”きつばた  “き”つつなれにし  “つ”ましあれば  “は”るばる来ぬる . . . 本文を読む
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