陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

花と器-2

2006年02月23日 | インポート

01_1 やぶ椿が咲き始めました。

花のないこの季節、鮮やかなこの花の美しさは、人の心をひきつけます。赤い花の引き立て役に黒い伊賀壷を持ってきました。椿も壷も相乗効果を放って「なかなかのものだ」と、自画自賛しています。

 「椿」というと、何となく和風な感じがしますが、 ヴェルディのオペラには、有名な「椿姫」と言う曲があるぐらいですから、昔から西洋でも愛されていた花なのでしょう。といっても、この椿姫の女主人公からは、どうも情熱的な赤い花のイメージがわいてきません。「赤い花」といったら、やっぱりビゼーの「カルメン」を思い起こすのですが、カルメンの赤い花が何だったのか、映画やオペラの場面を思い起こしても、今はっきりと思い出せません・・・・・。 でも、この季節のこの赤い花を見ていると、やっぱり情熱的であでやかな「カルメン」をイメージしてしまうのですが、あなたは何をイメージしますか・・・・・・・。

*写真、クリックして拡大してよく見てください。


花と器-1

2006年02月20日 | インポート

02  三寒四温、少しずつ「春」がやってきています。

 春は花の季節。花はそのままが一番美しいのですが、傲慢な人間は、その美しさを、さらに自分だけの「美」の世界に演出して楽しみたいのですね。「花」と「器」の饗宴。季節の花と器を取り合わせて、シリーズにしてご紹介してみたいと思います。

  先ずは、井戸側と蕗の董です。昔は、井戸水を汲み出すための井戸が、屋敷の中にありました。井戸は、大谷石のような石で囲ってありました。それが「井戸側」です。目的は、危険を防ぐためだったのでしょうが、高じて庭の彩として、装飾にも使われました。この花活けは、その井戸側を模したものです。粘土でブロックをつくり、表面に彫りをいれて、灰釉で焼成しました。

 春が近づいて、陽の光が強くなると、陽だまりの石囲いの間から、ほら、蕗の董がのぞいてる・・・・・・・。*写真はクリックすると拡大します。


展覧会に向けて

2006年02月16日 | 日記・エッセイ・コラム

2008_035 ひさしぶりにアトリエ風景です。

3月23日からの「朝ASHITA展」に向けて、仕込みをしています。何とかして、皆さんに見て頂けるような作品を作りたいと思っています。

 焼き物には、いろいろな用途があって、機能が重視される食器類から、風格を求められる茶道具類、そしてその人らしい個性が求められるオリジナルな「作品」まで、それらの条件を満たすものを作り出すことは大変なことです。

 いずれにしても、優しく美しい焼き物が作りたいと、頑張っています。3月23日からの展覧会には、是非見に来てください。


雪割草

2006年02月12日 | 野草

0102 雪割草です。

昨年花屋さんで買って、そのままにしてありました。春の兆しに敏感に反応する植物たちに感嘆させられます。これからつぎつぎに山野草が目をさますはずです。写真、クリックして拡大すると素晴らしくきれいですよ。


灰釉壷

2006年02月05日 | 作品紹介

20075最近の作品から。

ちょっと焼成に苦労した「壷」 です。炭化のために藁を使いました。釉薬と地の部分との微妙なバランスを試みたものです。

さて、

今年も三月に「朝」ASHITA展を計画しています。

期日 3月23日(木)~28日(火)まで

会場 静岡市呉服町・ワタナベカメラギャラリー

みなさん、今年もよろしくおねがいします。

さぁ、これから製作に集中しなくっちゃ。がんばりま~す  ! 


房総の旅・3「唐桟織」

2006年02月02日 | 日記・エッセイ・コラム

2008_015  千葉県の館山市長須賀と言うところにある、「唐桟織」の織元におじゃました。今回の旅のために、地元の方が特別に案内してくださったのだ。

 唐桟織は、木綿の細糸で織った縦縞の薄手の織物。その技術は豊臣時代にオランダから伝えられたという。天保改革時代に絹織物の使用が禁止されると、この織物の持つ光沢のよさ、品位の高さ、渋み、実用性などがうけて、一層珍重されるようになったという。

 Touzan10624055 その後、細々と伝えられてきた唐桟織を、明治維新後に、現織元斉藤光司の祖父が東京授産所で習得、その技術を受け継いだ。千葉県館山市にあるのこの織元が、現在、唐桟織を織る唯一の織元である。唐桟織は、千葉県の指定無形文化財。 

  細糸を、山桃、藍、椎、矢車の実 などで染色した素朴な色合いと、木綿とは思えないしなやかな感触が素敵。「今、注文しても織り上がりは2年後ですよ」と言われたが、その貴重な織物を同行のHさんが幸運にもGET。「羨ましいかぎり」。でも、とっても高価なんです。*写真はボケていますが、織元の斉藤光司氏です。